TOP2005年記録

記録の無い沢にはそれなりの理由が・・・

上信越国境/清津川・セバト川左俣 (沢登り)

高田

【日時】2005年6月18日-19日
【メンバー】高田(L)、笹川(SL)、関口、佐貫


 取ってつけたように土日だけ晴れなどという5日前の天気予報はあてにしてなかったのだが、入山前の予報では雷の恐れありとなっている。「最初から筍山へエスケープしようよ」という意見も出るが、水溶性の人たちが山に入るときの枕詞は軽く聞き流すことにして出発する。
 まずは、赤湯までのアプローチでひと汗かかされる。セバト川出合で石井Pと別れ、右俣を遡行する棚橋Pと一緒に進む。間もなく現れた千枚皿のような2m滝は高さこそないがなかなか美しく、この先の遡行に期待を抱かせる。左岸にそびえる岩壁を過ぎると2mナメ。次の釜を持つ5mはシャワーをたっぷり浴びながら越えたのだが、滝らしい滝はこの後しばらく出てこない。標高1195m下二俣で棚橋Pと別れてからもガレ、ガレ、そしてガレ・・・ひたすらガレが続く。地形図上崖マークの箇所もゴルジュという感じではなく、両岸から崩れてたまった岩がゴロゴロしている。山菜もウドやウルイの類が見当たらない。両岸に笹薮が現れると必死に筍を探すのだがこれも見つからない。コシアブラは多少あるのだが、今日に限って誰も天ぷらセットを持ってこなかった。なんてこった!リーダーとしては痛恨のアレンジミスとして責任を感じております、はい。
 途中4mの滝がひとつあっただけで、そうこうしているうちにテン場予定地の上二俣に着いてしまった。そこには「どうぞ泊まってください」と言わんばかりの適地が我々のためにしつらえてあった。この快適なテン場が、今山行最大のラッキーポイントだったといえる。薪は豊富で雨も本降りにならず、とてもよい焚火はじめができた。
 夜は一時強く降ったが翌朝は晴れ。
 ようやくガレも減り普通の沢っぽくなった谷を、相変わらず山菜を探しながら遡る。標高1570mあたりでスノーブロックがちらほら出始めたが、当初心配していた雪渓に悩まされるようなことは全くなく、ポツポツと現れる小滝も難なく越えていく。苔むした3mはシャワーとなったが、まだ時間は早いので乾くだろう。続いてナメ滝が現れ、渓相はナメ床状になってきていい感じだ。ユキザサの収穫もあり、貧乏人の私にとっては食の足しになるのでありがたい。
 上部1700m辺りで二俣状になっていたので、コンパスでも方向を確認し、私は1720mの二俣と判断して左へ行こうとしたが、関口さんが「どうも谷が浅いようだ」というので偵察してみると、左はやはり枝沢だったようだ。右へ折れた本流はその先で向きを変えていた。自分の読図・ルート判断はまだまだと反省する。
 源頭部は丈の低い笹薮でさしたる苦労もなく1820mコルへ到着。期待した筍は稜線付近にも見つからなかったが、気持ちのよい笹原で休憩とする。振り返れば苗場山の方は上部が結構白い。こっちとは随分違うものである。
 あとはガランノ沢を下るだけ。こちらの上部はしばらく雪に埋まっており、グリセード気味に下る。時々ボコっとはまってしまい冷たい思いをする。雪がなくなると渓相はナメナメしており登るならこっちの方が快適かもしれない。ナメ床にところどころ2〜3mの小滝をかけるが、特に困難なところはない。標高1500m二俣を過ぎて4mは、クライムダウンするにはいやらしいので、左壁を懸垂下降。唯一ロープを出した。間もなく登山道が横切るが、今ひとつわかりづらいので、後続の棚橋Pのために赤布をつけておく。登山道を30分も歩くと三国スキー場に出る。そこではたくさんの人が何かを採っている。気になってしょうがない佐貫さんがヒアリングへ向かってみると、どうやらわらび採りのようである。
 この沢はほとんど記録を見ないので、遡行図をかかないといけないなと思ってのぞんだが、どうやら不要だったようである。雪や悪天の影響もなく思いのほかあっさり終わった感じがした。

【行程】
6/18 ゲート終点(7:50)〜赤湯(9:30)〜セバト川出合(10:25)〜上二俣C1(14:30)
6/19 C1(6:50)〜標高1820mコル(9:15/35)〜三国スキー場(13:30)
【地図】佐武流山、三国峠