TOP2005年記録

なかなかの充実感

川内山塊/中杉川ホリンド沢 (沢登り)

棚橋

【日時】2005年7月23日(土)〜24日(日)
【メンバー】棚橋(L)、佐貫、大野


 名渓中杉川の支流である、ホリンド沢の遡行記録はあまり見かけない。しかし面白いのではないかという期待を抱かせる、そんな存在である。

7月23日 晴れ
 仮眠地である早出川ダムで目を覚ますと予想以上に天気が良い。到着するのがあまりにも遅かったので7時起床としたが、暑くて寝ていられないほどだ。早々に準備を行うが、各々でヒル対策に掛ける手間は実に様々だ。塩、ガムテープ、ヤマビルファイター...。私はチャックの壊れていない、新しい渓流足袋を使用した。  先ずはチップが敷かれている湖岸の道を歩き出す。途中、日本平山への登山道と分けれ、早出川沿いの松次郎ゼンマイ道を進む。道は概ねしっかりしているが、丸子橋に下りる付近が相変わらず不明瞭である。前に来た時の記憶を頼りに、中杉川出合が正面に見える地点を少し過ぎ、支尾根を下って行くと踏み跡が現れ、ドウゾ淵の少し上流へと導かれる。
 前回来た時は早出川の渡渉が核心であったが、今回は本流も遡行できるのではないという位、穏やかであった。ドウゾ淵は浮かんで通過し、中杉川出合に至る。しばらくゴーロを進むと、ゴルジュの奥に子落しの滝が見える。今回は時間短縮のため入り口右岸の支沢を登り、下部ゴルジュをあっさりと巻いてしまった。瀞の先の2m滝を越えるとホリンド沢に出合う。
 出合の8m滝を快適に登ると、釜を持つ滝が次々に現れ、その何れもが何とか登れるので楽しい。沢が左に曲がった先に大きなスノーブリッジが見える。近づいてみると左脚が落ちており片持ちで一寸嫌らしいので、できるだけ左側を早足で通り過ぎる。
 その後も滝が現れるが、大野君の活躍で次々と越えて行く。左側にブロックの残っている6m滝は上部が少々嫌らしいので、ロープを出す。2ヶ所ほどの登れないCS滝は何れも小さく巻くことができたが、どうしても大高巻きが予想されたCS滝ではスパイクを履いて左岸より取り付く。上がりきると沢が急激に曲がり込んでいたのが眺められる。
 終盤に近づくと滝が大きくなり、もう幕場を求めたいと思っていても斜瀑8m、直瀑6mとその対応に忙しい。2段12mハング滝、そして6mCS滝を越えるとどうやら核心部を抜けたらしく渓相が穏やかになり、その後は容易に幕営適地が得られた。

7月24日 晴れ
 今日も天気の崩れが無いようなので長峰尾根を乗越して、早出川を下降することにする。相変わらずナメと滝の続くこの沢を快適に進み、c.650の二俣を確認したところで少し戻り、枝沢より長峰尾根を目指す。少し上ると実に素晴らしいブナ林が広がり、これが川内のもうひとつの顔なのかと暫し観賞する。
 尾根まで上りきると下降を予定している、上マサワリ沢の1本上流の沢に入るべく少々右に方向を修正する。支尾根を左手に確認した後、下降を開始する。沢形がはっきりしだすと、やがて急なナメが続くようになる。そこを概ねクライムダウン及び脇の潅木を伝い、高度を下げる。所々巻きも必要とされるが大した問題もなく、本流出合の15m滝を懸垂下降するまで1時間半ほどの行程であった。
 好天の中、本流を浮かんだり泳いだりしながらドウゾ淵を目指す。丸子橋跡からはヒルに怯えながら、松次郎ゼンマイ道を足早に進む。早出川ダムでヒルチェックを行ったが今回の被害はゼロであった。


【グレード】3級
【行程】
7/23 早出川ダム(8:00)〜丸子橋跡付近(10:30/45)
   〜中杉川出合(10:55)〜ホリンド沢出合(12:45/55)
   〜C530m付近(18:00)
7/27 幕場(6:40)〜C630m付近(7:30)〜支沢遡行
   〜稜線(8:20/30)〜早出川(10:00/15
   )〜丸子橋跡(13:30/50)〜早出川ダム(16:20)
【地図】高石