TOP2005年記録

やはり険しい、飯豊の沢

飯豊連峰/胎内川楢ノ木沢堂沢 (沢登り)

岩田

【日時】2005年8月6日〜7日
【メンバー】栗原(L)、石間、笹川、岩田

 トマには約4年在籍しているが飯豊の沢には1回しか行ったことがない。別に避けてきたわけではないのだが珍しいかもしれない。お盆にはちょっと厳しい北アの沢に行く予定だったので手応えがあって厳しすぎない・・・そんな沢があったらと思っていたらちょうど飯豊に行く機会に恵まれた。うーむ、どんなところなのだろう。

 前夜は胎内ヒュッテ手前の駐車場で仮眠をして出発。ヒュッテの先から河原に下りてしばらく河原歩きをしていくとただならぬ雰囲気・・・。なんと沢が寸断されているではないか!ダム工事の真っ最中のようで右に上流からのトンネルが掘られており水はそこを通って流れている。しかし、なにもここまでやらなくてもと思うのだが・・・。まさかトンネルに入って行くわけにもいかないので仕方なく水が無い寸断された沢を歩く。
 全く水が無いわけではなく100mほどの長い淵(というより水溜り?)を泳いだりするが妙に水が生ぬるくあまり盛り上がらない。前方に大きな橋が見えてくると寸断箇所は終了である。下流までつながっているトンネルには水がものすごい勢いで流れている。ここからようやく沢登りらしくなってきた。膝下までの渡渉を繰り返していくとゴルジュ帯となりいきなり流れの早い箇所に出くわす。ここは石間さんが空荷でロープをつけて水に飛び込み対岸の左岸に渡る。そこから岸伝いに15mほど行ったところで石間さんのザックを引いた。2番手である自分はザイルで引っ張ってもらい
楽勝である。自分が着いたところでそこから石間さんが右岸に向かって飛び込み右岸に到達。流れがあってちょっと無理ではないかと思ったが飛び込んでみると思ったほど流れは強くなく簡単に渡ることができた。石間さんのルートを見る目は凄いと関心。
 右岸に渡ったところで栗原さん、笹川さんを引いて最初の難関は突破できた。腰までの渡渉を繰り返していくとゴルジュ帯は終了、楢ノ木沢に入る。ここからしばらくは単調なゴーロ歩きがひたすら続く。この間は特に書くことはない。「このゴーロ、いつまで続くんだ?」と思っていたら堂沢出合に到着。ここからもゴーロ歩きを続けて行くと突如、大雪渓が現れた。ややガスがかかっていてどこまで続いているのかわからないが雪渓の上を歩く。雪渓の冷気と暖かい空気が混ざってなんか変な気分だ。雪渓は500mくらいは続いており雪渓の終了点がどうやら難関と思われた15m滝のようだった。しかし、雪渓のおかげで簡単に高巻くことができた。さらに5mの滝を高巻くと中の二俣に到着。決して快適とはいえないがなんとか猫の額ほどの平坦地を見つけツエルトを張った。狭いながらも焚き火に火がつけばそんなことは気にならない。住めば都、である。しかし、虫が多く外で寝てしまったため翌朝は信じられないくらい虫に刺されていた・・・。

 翌日は急なゴーロを歩き始める。間もなく2段10mの滝が現れる。今回一番の難関だっただろう。1段目は簡単に越えられるが2段目は厳しい。右壁に残置ハーケンがありそこから登るようだ。ここも石間さんが空荷で登る。ホールド、スタンスともに乏しいが3mほど上のテラスに上がりハーケンを打つ。そこからトラバース気味に斜上し滝の上に到達。うーん、お見事。彼が入会した当初は危なっかしい奴だな、と思っていたが(失礼!)いつの間にか凄い力をつけていた。いまやトマのNo1クライマーかもしれない。残りの3人はザイルを出してもらい難なく通過できた。
 続く15mの滝は右の草付から高巻く。ここまで大して働いていないのでここは自分がトップで登らせてもらった。取り付きに残置ハーケンがあったがそこから先には支点がとれるものはなく一気に潅木地帯まで登る。2ピッチ目は石間さんがヤブの中をザイルを引いて登る。登りきったところから河原に下りることができホッと一息。奥の二俣を過ぎると沢は狭まり源頭の様相となる。奥の二俣を左に入りやや右よりにルートをとっていくと登山道に出て二王子岳山頂に到着である。
 下山は黒石山を経由して登山道を下りるがこれがちょっと長い。どうも最近下山が苦手になっているらしく暑さも手伝ってフラフラになりながら胎内第一ダムに到着。やはりこれは体力の衰えか・・・。

 それにしても今回は自分の力の無さに呆れてしまった。石間さんを見ているとやはり沢への思い入れが違うんだろうなー。感心するだけではなくもう少し頑張らないとね。

【行程】
 8/6 胎内ヒュッテ(6:45)〜楢ノ木沢出合(10:40)〜堂沢出合(12:25)〜BP(15:30)
 8/7 BP(6:30)〜奥の二俣(9:05)〜二王子岳(10:40)
【地形図】二王子岳、杁差岳
【グレード】3級