TOP2006年記録

静かな山旅を満喫!

二口山塊/南面白山〜二口峠〜二口温泉 
(雪山縦走)

浅井

【日 時】 2006年1月28日〜29日
【メンバー】栗原(L)、長谷川、浅井、高山

 我々縦走Aパーティは朝の集合場所を一番に出発し、仙山線の作並発7:51の電車にぎりぎりで間に合った。車を駅前にある駐車場にデポし(翌日山スキーの高田パーティに回収してもらう予定)、小雪が舞う中を二つ目の駅である面白山高原駅へと向かう。ローカル線なので空いていると思ったが、意外にも車内はスノボを抱えた若者たちで混んでいた。私は子供の頃山形に住んでいたことがあり、山形〜仙台間は電車で何度も行き来したので、この線はとても懐かしい。しかしそんな思い出にのんびり浸っている暇もなく、電車はあっという間に県境のトンネルを越え、8:05、面白山高原駅に着いた。
 県境を越えると雪は一段と深くなり、電車を降りると一面の雪景色に包まれた。縦走のスタート地点であるスキー場は駅に隣接しており、スキー客でそこそこ賑わっていた。とりあえずリフト乗場の待合室に入り、出発準備。リフトを使わずに最初から歩くという選択肢もあったが、この先の状況が分からないので、出来るだけ時間を稼ぐために、やはりリフトに乗ることにした。
 リフトを3本乗り継いでスキー場のてっぺんに降り立つ。ここからはトレースがないので、ワカンを履いて出発(9:30)。登山道はここから少し離れているようなので、適当な所から登り始める。登り始めてすぐ、栗原さんのワカンのバンドが切れるというハプニングがあったが、応急処置を施して事なきを得た。しばらくワカンで進むが、雪は意外としまっており、さほどもぐらない。リーダーの栗原さんが率先して先頭を歩いてくれたので、早いペースでぐんぐん高度を稼いでいった。途中からかなりの急登になり、雪が一部クラストしてきたので、ワカンを外し、アイゼンに付け替えた。急斜面を登りきるとなだらかな登りがしばらく続く。高度が上がり樹林が薄くなるが、今日は視界がきかないので、目指す山頂もガスの中。展望がない中をだらだらと登り、11:20、ようやく南面白山(1225m)の山頂に着いた。
 展望が利かないのでこの先の方角が定めにくいが、山頂には立派な標識が立っており、それにも助けられてさらに南進する。一旦大きく下った後、1216mの小ピークを登り返し、また下って今度は小東岳の方角を目指して登り返す。予想以上にアップダウンが多い。途中でガスが切れたので後ろを振り返ると南面白山の山頂に何人かの人が立っているのが見えた。たぶん後続の耕至さんたちのスキーパーティに違いない(下山後聞いてみたらやはり彼らであった。彼らは遥か先を歩いている我々の姿を見つけて「あいつら早いなぁ」と半ば呆れ顔で見ていたそうである…)。
 小東岳への分岐に着くが、天気もよくないので、小東岳はピストンせずそのまま大きく下って小東峠に下りる。ここは登山道が十字に交差している所で、左(西)に下りると大行沢の中流部、右(東)に下りると山寺方面に出る。私は前に大行沢のカケス沢に行った時この峠から大行沢に下りているので、懐かしい。
 小東峠からはまた緩やかな登りが続く。1132mの小ピークを越えると後は今日の幕場予定地である石橋峠に向かっての下りとなる。ちょうど鞍部になったあたりが峠だと思われるが、標識は出ていなかった。かなり広い鞍部で風の通り道になっているようだ。幸い左側に少し下りた所が平らになっており風も避けられそうだったので、そこを本日の幕場とした(14:40着)。
 その夜はうまい具合に風も避けられて快適に過ごせた。印象的だったのは食当の高山さんのメニューが豪華だったこと。まず前菜が韓国料理のタッカルビとトッポッキ。両方とも「冬ソナ」で一躍有名になった食べ物だ!そしてメインは野菜がたっぷり入った鍋にこれまた韓国のトック(餅)を入れたもの。かくしてまるで韓国料理店に入ったかのような贅沢な気分に浸ることが出来た(笑)。高山さん、食材の歩荷ご苦労様でした!

 翌朝は4:30起床、6:40出発。すでに昨日のうちに全行程の7割がたはこなしているので、今日は時間的にも楽勝だ。鞍部からはしばらく登りが続く。雪は適度にしまっているので、ワカンもアイゼンも不要。1時間弱で糸岳(1227m)の山頂に着く。今回のコースの最後のピークで、立派な標識が立っていた。天気は徐々に回復しており、展望もまずまずだ。特に間近に見える神室岳(仙台神室)のずっしりとした山容が印象的だった。
 山頂からは二口峠まで一気に下る。途中雪庇が張り出した箇所もあり、雪山気分が味わえた。天気は急速に回復し、遠く太平洋まで望まれた。ブナ林のフカフカ雪の斜面を快適に下り、8:20、二口峠に到着。笹谷峠から北進してくる山口パーティもこの峠を通るはずだが、トレースがないので我々の方が一足早かったようだ。
 小休止の後、雪に覆われた長い林道を下り始める。私は前に二口沢の小松原沢に行った時この林道を下ったことがあるので懐かしい。所々ショートカットしながら楽しく下っていく。途中でアイスパーティのものと思われるスキー(フリートレック)とトレースがあったので、それを辿っていくと、沢の対岸で氷を登っているアイス組を見つけた。石井さんが来てくれたので、他パーティの動向なども聞き出しながら、下山後の車をどうするかなどについて話し合う。石井さんは予想通り我々のパーティが早く来すぎた(?)ことに苦笑していたが、結局我々は一足先に下山して、アイスパーティの車を借りて集合場所の秋保温泉まで行くことに決定。まもなく山口パーティも到着して一緒に下山する。途中の磐司岩の眺めなどを楽しみながらひたすら下り、13:00、ゴールの二口温泉に無事到着した。
 今回は栗原リーダーのもとスピーディに行動でき、最後は余裕を持って集合場所に着くことが出来た。皆さん、お疲れ様でした。

【行程】
1/28 面白山スキー場(9:30)〜南面白山(11:20)〜石橋峠(14:40)
1/29 出発(6:40)〜糸岳(7:30)〜二口峠(8:20)〜二口温泉(13:00)
【地形図】山寺・作並