TOP2006年記録

贅沢な景色

頸城/駒ヶ岳カネコロン見物 (山スキー)

鈴木

【日時】2006年2月11日(土)〜12日(日)
【メンバー】鈴木、佐藤(耕)、野村、星野(会員外)

 「別冊太陽」日本の秘境(2002.年5月発行)の中に、頸城駒ヶ岳の120m大氷柱(通称カネコロン)の記事をみてからずっと気になっていた。山スキーMLによく登場する、金沢の医師早川さんのHPにも文と写真があり、一度実物を見てみたいと思いつつ時季を逸していた。
 天気予報は最悪。気持ちは場所を変えることも少し考えたが、星野さんに会うのも久しぶりだし、どうにでもなれという気持ちで、山用の魚を糸魚川で仕入れて向かった。大糸線の根知駅で星野さんと合流した時は雨。晴れていればここからも遠望できるらしい。山寺の集落についた時はやんでいたが、豪雪で車の止めるところがない。近くの家にお願いしたら、快くとめておくのを許してくれた。しかしカネコロンを見に行く、しかも山中一泊といったら「おやまぁ〜、気をつけてね。今年一度ぬるくなった時に落ちて、今のは二度目のものだよ」といわれた。それなりに地元の人も気になっているようだった。
 神社の鳥居の所から畑の中を行き、752の尾根を登る。かすかに駒ヶ岳が見え、無理矢理ではあるが氷柱が見えるような感じがした。途中までいったら視界が開け、はっきり見えるようになった。それからはカネコロンを見ながらの登りとなり、900の地点まで行き、テントを設定した。そのまま稜線を行くと雪屁が張り出した雪稜になる。その先には滑れそうではあるけど、確実に雪崩れそうな斜面があり、山頂付近のブナ林に続く。早川さんでさえ断念したルートを我々は行く気にもなれない。「太陽」の記録では、雪崩を避けるため、この尾根上の先から続くバンドをトラバースして、カネコロンに取り付いている。
 我々の幕営地は、尾根900地点付近を東側に降りて、カネコロンの展望台のような地点に、斜面を削って設営した。一本東側にはカネコロンの基部付近に行く尾根状の斜面があり、近づくにはそれがいちばんか。ただしすぐにでも雪崩れそうな斜面の横断と、悪くなる予報を加味した時、「まぁ、今日はいいか」という気持ちになった。あとは宴会あるのみ。刺身をつまみにカネコロンを見るなかなか贅沢な風景ではありました。
 予報通り吹雪いてきて、「よしよし」と思っていたら、その後徐々に晴れてきて、雨飾山まで見えるようになった。「なんで?」と思ってももう遅い。酒飲んじゃったし・・・。暗くなりかけた時は山寺集落の明かりが見えていたが、その後は予報通り本格的に雪が降り始めた。朝起きた時は、60〜70pは積もっていて、もう駒ヶ岳方面を見ても、どこにカネコロンがあるのかも判らない。
 帰りは新雪にもかかわらず、多すぎて滑らない。急な斜面はいいが、すぐに終わってしまう。下りラッセルもあり、予想以上に時間がかかってしまった。
 山寺についてスキーを担いでいたら、「何処へ行くの?」と聞かれ、カネコロンを見に泊まりで行ってきた旨を言ったら、「こんな雪の中よくご無事で。ご苦労様でした」といわれた。車には車種が判らなくなるほどの雪が積もり、預かってくださった家の方には「心配したよぉ〜、無事でよかったよかった」といわれた。
 もう一度行ってもいいなとも思っている。今回より近づいてみたいので、氷が崩れるような事がない、もっと寒い時季がいいと思っている。でも早川さんが滑った斜面は私には無理だなぁ〜。頂上直下の斜面も、火打の澄川を考えたら滑られるけど、そこに行くまでのルートが問題だ。
 この山行のアルバムを、写真館に掲載しています。よかったらご覧下さい。
 山頂へのルートは、左の尾根を行く。「太陽」に載っていたのは、岩場の基部のバンドをトラバースしてカネコロンへ。正面の雪崩れそうな斜面の下部で右の尾根上がっても行けそうだった。岩場の左に三角形の斜面が見える。行けそうでもあり、滑られそうでもあるが、かなりきわどい。幕営は少し右に下りた台地状のところだった。しかし正面の斜面、普通は滑る気にはなれません。
【行程】
2/11 山寺(10:00)---752付近(12:15)---900付近(13:30)---幕場(13:45)
2/12 幕場(9:00-)--山寺(11:55)
【地図】越後大野