TOP会員山行録2006年

下りに核心?!

八ヶ岳/赤岳天狗尾根(雪稜)

栗原

【日時】2006年3月4日〜5日
【メンバー】栗原、小暮、笹川、石間

3月4日
 満足に山行ができなかった2月を取り戻すべく、どうしても泊まりで雪稜に行きたかった。幸いメンバーも集まり、場所は手頃な天狗尾根ということで話がまとまった。
 朝、美くしの森の駐車場より歩き出す。前に旭岳東稜に行った時よりも雪が少ないようだ。トレースもいっぱい付いており、迷うこともなく出合小屋へ到着。出合小屋では、おそらくそこをベースに日帰りするのだろう、荷物を降ろして日帰り装備の支度をしているパーティがいた。我々は泊まりの装備を全部背負って、赤岳沢を少し入ったところから天狗尾根に取り付く。途中、日帰り装備のパーティが追いついてきて、先を譲る。
 しばらく樹林帯を行くと、前のパーティが岩稜を登っているのが見えた。斜度がゆるいのでノーザイルでも大丈夫かと思ったが、念のため小暮さんがザイルを引く。ちょっと悪そうだ。なるほど、フォローで登ってみると、緊張する。久々の雪稜に加え、久々の重荷なので、私は思い切りへっぴり腰になってしまった。ザイルがあって良かった・・・。
 しばらく行くと、再び岩場になる。右のルンゼ状に残置ロープがあり、ここは笹川さんがザイルを引いて華麗にリード。50mいっぱいで潅木でピッチを切った。私は再びへっぴり腰でフォローする。なんか、去年よりも数段登りが下手糞になってしまったようだ。


迫力の小天狗
 核心の大天狗には前のパーティが左から取り付いていた。石間さんと笹川さんは右がルートと見て、ザイルの準備をしている。石間さんが右から取り付く。が、結構厳しいようで、途中ザックをデポし、空身で登り始めた。上のバンドに乗り、右に回り込むのに支点の残置もなくて、ハーケンを打ち込もうとするが岩がもろくてなかなか打ち込めない。もしかして左のほうがいいのじゃないかと小暮さんと私が左に偵察に行っている間に、しかし石間さんはハーケンを打ち終え、その先を偵察し、OKのサインを出す。結局皆荷揚げすることにして、空身で登った。4人が登り終えるまでにだいぶ時間を食ってしまった。まだまだロープワークやルート判断が甘いと反省。稜線まで出たときには時間的にだいぶ押していたので、赤岳山頂はカットし、直接キレット小屋に向かうことにした。途中鎖場もあるので慎重に下る。

残照の天狗尾根をバックに
 キレット小屋は残念ながら開いていなかった。小屋の裏手にテントを張り、いつもの夜となる。明日このまま降りてしまうのはもったいないので、権現岳を往復することに決め、その旨メールで連絡し、宴会に突入。が、なんとなく居眠りの多い我々だった。

3月5日
 朝起きると何故か外は明るかった。みんなして寝坊していたのだった!とりあえず、さっさと準備して出発する。ツルネに荷物をデポし、軽荷になって権現岳に向かう。ここからはトレースがなくなる。登山道で雪も少ないとは言え、やはり自分たちでトレースを刻んでいくのは楽しい。長いはしごを上ると、権現岳山頂に到着。山頂には、権現東稜を上ってきた2人パーティがいた。その話を聞いていると、厳しそうだけれどいつかは行ってみたいと思う。山頂から見下ろすと、今まさに核心部を登っているパーティがいた。しばし見学した後、下りにかかる。
 下りはトレースも付いているし、楽勝、と思いきや、トレースは尾根の途中で変なところをトラバースしている。そちらへ行こうとする小暮さんに、「こっちだよ!」と尾根をそのまま下っていくルートを取らせたら、途中で行き詰ってしまった。小暮さんの冷たい視線を浴びながら、仕方なくすごすごと登り返す。約1時間のロスで元のトレースに戻る。休憩しながらルートの不可解さに地図を見やっていたら、後から来た人から上の分岐で間違えた尾根に乗っていたと聞き、ようやく納得。判断が悪くてすみません・・・。それからは順調に下り、出合いでは権現東稜の話などをしながら、林道をのんびりと駐車場まで戻った。

【行程】
3/4 美しの森駐車場(7:30)〜出合小屋(9:40)〜取付(9:50)〜上部岩稜帯(12:30)〜稜線(16:40)
   〜キレット小屋 (17:20)
3/5 キレット小屋(8:05)〜ツルネ(8:20/35)〜権現岳(9:40/10:00)〜ツルネ(10:45/11:05)〜出合小屋 (13:30)
   〜美しの森駐車場(15:25)
【地図】八ヶ岳東部・八ヶ岳西部