TOP会員山行録2006年

海を見て 海を味わう 佐渡の山旅

佐渡/金北山・ドンデン山(山スキー)

鈴木

【日時】2006年3月18〜20日
【メンバー】鈴木(L)、佐藤(耕)、浅原(黒稜山岳会)

 以前金北山に行った時に、南東面の神子岩から上の斜面がスキーに適しているのがわかった、しかしこの時はホワイトアウトと寡雪で快適な滑りとはならなかった。想いは今度こそ!! しかし天気は最悪。途中で幕営してねらっても、雨で視界のない時に滑ってもしょうがないと判断し、行けるところまでの日帰りとした。今回のドンデン山は付録。登山口の雪の状態を見ても、とてもスキーでは行けない。まだ雨も降っていなかったので、閉鎖されている県道をひたすら登った。悪天の合間を縫って大佐渡ロッジまで。金北山同様、山頂までは行けなかったけど、達成感もあった。佐渡マニアの佐藤(耕)君と私が書いてもいつもと同じになるので、今回初参加の浅原さんに報告してもらいます。      (鈴木)

 金曜、満月のもと3人を乗せたパジェロは関越道を新潟港に向けてひたすら走る。港に2時くらいに着き、まずは車内にていつもの儀式をする。6時定刻に出航。2等船室に陣取り100円毛布を借り、爆睡となる。佐渡が近づくと白い山なみが一望できた。連なる山の稜線には小さく、でもたくさんの自衛隊の施設やレーダードームが見える。国防の重要施設なのだろうか。実際、金北山への道路は防衛庁の管理下で、近隣情勢が緊迫してくると、事前申請が必要だったりする。
8:30佐渡上陸。金北山は計画では山中泊の予定だったが、夜から雨の予報だったので 日帰りピストンに変更する。登り口である栗ヶ沢から登山。夏道は雪で隠れ、トレースのないブナ森の中をシール登行。いつのまにかルートを右にはずしたようで長江川と思われるところに出てしまい、コンパスを使いながら軌道修正する。あたりが開け、いかにもテンバ適地が現われる。550付近のジュンサ池だった。ところどころマーキングがあり、どうやらルートに戻ったようだ。

そこからブナの御神体を見送り、いい森を抜け、神子岩を過ぎる。振り向き海を見おろすと、佐渡のひょうたん形のくびれ部分がわかる。山頂の自衛隊のレーダードームまで残り250mくらいのところで、予定していた時間が来たので、ここで戻るとする。
 ツリーラン。フリーベンチャーは急なところや、悪雪のところは踵で滑る感じ、と滑降のコツを教わる。なるほど。ジュンサ池から正規ルートを取ったつもりがまた少し迷ってタイムロスをしたが無事に車に戻る。と同時に雨。今晩の宿は自炊部のある金井温泉。個室素泊まり・浴衣・布団付きの新しい施設が、ひとり2000円の格安さである。スーパーで佐渡産の魚や蟹を大量に買い込む。独占状態の炊事場で呑みながら各自が自慢の料理に腕を振るう。
 海鮮しゃぶしゃぶや煮魚や刺身、道端のフキノトウが夕餉を賑わした。茶色のワカメがお湯にさらすとたちまち鮮やかな緑色になって、それが不思議で楽しくて、いい大人たちが、ワカメ投入→「おおっ!」の繰り返しであった。

 翌朝、起きた時は雨。その後、擬似晴天。ドンデン山への登り口を2ヶ所偵察したが雪が少なく、スキーでは行けない。11:30アオネバ渓谷付近の、県道両津-入川線をいつでも退散できる態勢でドンデン山に向 かう。
 閉鎖中の雪のついた道路を、海を見下ろしながらひたすらシール登高。ときどき雪が切れるので、スキーの着脱がめんどうくさい。ドンデン山荘の独特な建造物が近づき、せっかくだからあそこまでと、もうひと頑張 りする。結局登り3時間20分。ドンデン山荘は牧場の中にある、新築のこじゃれた山荘である。夏は牧場がキャンプ場に開放され、放牧された牛がテントのすぐそばまでくるとのこと。当然回りは牛のうんちだらけの牧歌的なテンバである。
 山頂からはガスで展望なし。晴れてれば見事なロケーションに違いない。さて、往路を滑降。傾斜があまりないうえ、スキーの着脱で意外と時間を食う。登山口には17:30頃到着。疲れたぁ。
 今宵の宿は、海っぺりの民宿敷島荘。宿代は二食付きひとり7350円。3人で5000円の刺身盛りを頼んだ。びっくりするほどの磯料理に歓喜感激。その夜は遅くまで呑んだ呑んだ。
 翌日、海は時化ていた。新潟に戻るフェリーが出航するか心配になる。とはいうもののしっかり観光する3人。相川の商店街をひやかしながら歩く。能舞台を観る。みやげ屋の試食しまくる。かくしてフェリーは定刻を少し遅れて出航した。 えびせんでのカモメの餌付けが愉快で、本土までの2時間半の乗船はあっという間だった。いつもながら、楽しすぎた山行の帰りは、疲れもあるけどちょっとさびしくて、車の中ではみんな静かになった。



 佐渡の山は、夏はともかく、冬は登るひとがおらず、ましてスキーを使ってまで登る人は皆無です。また、意外なことに山はブナが豊富でなかなか美しい森や沢がありました。夏には花が咲き乱れ、沢にはサドイワナがいるそうです。またいつか再訪したいです。
 何度か「童人トマの風」の方々と遊んでいただく機会があり、その際佐渡のお話は鈴木さんから伺って興味ありありでした。山から海を見下ろすのが大好きなので、私にとって佐渡のお話は垂涎の的でした。まんまと実現できて本当にうれしいです。鈴木さん、佐藤さんありがとうございました! それと、今回ご一緒できなかった植島さん、渡辺さん、機会があればぜひお付き合いください!!(浅原)

【地図】金北山、相川