TOP会員山行録2006年

二匹目のイワナは・・・

奥秩父/滝川本流-槙ノ沢−八百谷遡行
−金山沢下降(沢登り)

佐藤(仁)

【日時】2006年5月3日〜5月5日(2泊3日)
【メンバー】佐藤(仁)

 GWの計画にもすっかり乗り遅れ、通いなれた?奥秩父の滝川を目指す事にした。

5月3日
2日は徹夜明けの為3日早朝出発。しかし渋滞に捕まり駐車場に着いたのは11時半、釣り師と思われる車もかなり止まっているようだ。天狗岩トンネル手前のガードレールをまたぎ、かなり急な岩尾根を50m急降下。工事中の道の横の祠に手を合わせて更にガレを20m程下ると豆焼沢出合につく。天気も良く絶好の沢日和、膝下位の渡渉を繰り返しながら進んでいくと次々と釜が現れてくるが、深いのも在り右に左にと巻きながら越えて行くと
 左から沢小屋沢が10m滝で合流し、暫く行くと頭上に吊り橋がかかっている。竿を出しながら進むがどうも先行者がいるようで当たりすら無く先行き不安になる。今回も食料は米と味噌だけなのでなんとしても釣らねば・・・。
 再び釜が次から次と現れるがどれも深く巻き道を探しながら越えていくので思いのほか時間が掛かってしまい、曲沢出合は15:50、更に進み金山沢手前の左側の砂地を今宵のテン場とする。おまけに薪までそろえてある。金山沢まで釣り上がってみるが釣れずおまけにやはり先行者がいた。ツェルトを張り焚き火起こし食事の支度をするがご飯と味噌汁だけじゃ寂しい限り。ビールも無くなり早々にシュラフにもぐりこが夜中寒さで目を覚ます。
 
5月4日
 今日も天気は沢日和 朝の残りご飯を味噌おにぎりにして7時出発、金山沢出合の深い釜は右から小さく巻く事ができ右手の台地には釣り師が4人いる。少し行くと岩壁の左を巻く様に本流が流れていて岩壁の真ん中に垂れている。トラロープを使って越えるのだが胸までの渡渉となり朝からずぶ濡れ状態だ。これを越えると沢は開けて竿を出しながら進むがリリースサイズのみだ。夫婦岩は大きな岩が2つ並んでいて右の大岩には立派な御神木がそそりたっていた。槙ノ沢までは大した事も無く竿を出し続けるが当たりは無く昨晩の光景が・・・。槙ノ沢はYの字状に合流し水量はだいぶ減ったようだ。すると前方から3人降りてくる。この上のスリバチ状の6m迄行ってきたとの事、これじゃ釣れない訳である。暫く開けた川原が続きのんびり歩いてると前方の岩になにやらネズミの様な物が。1.5m程まで接近するとまさしくネズミだがネズミより口先が尖っていて水に潜ったかと思えば岩に這い上がるという事を繰り返している。ミズモグラ(正式名称カワネズミ)と云う水辺に住むモグラの仲間らしい。右岸にガレ場を見ると川原も終わりすぐに垂直に切り立った両岸はスリバチ状、その奥に6m滝が見えるがここは右側の巻き道を行く。しかし途中カモシカの頭蓋骨があり、思わず手を合わせてしまった。続くくノ字4mも右を巻く。これを越えると小滝が続き穏やかな流れとなりナメ滝が終る付近で左から八百谷が一対一で合流するが依然釣果はゼロ。小滝とナメが連続するが一旦沢は開けてこの辺りで漸く一匹吊り上げる。しかし後が続かず、すぐにゴルジュとなりトイ状4mと続く3mは右を巻くのだが、あと数mがいやらしくお助けを使って降りる、暫くはナメと小滝が続き、右壁の切り立った5mは左を巻くが降りる所が少し悪い。ここを過ぎると沢も開けて再び竿を出すが遂に釣れず仕舞い、おまけに倒木が目立ち始め幾つかの滝は倒木で埋まっている様だった。沢がゴーロ状に変わる辺りの右岸に朽ち果てた小屋跡が在り更に倒木が目立つ。テン場を探すが中々無く漸く右手に台地を見つけテン場とする。木の種類は判らないが誤って幹に傷を付けてしまったら樹液がポタポタ。なめてみるとほのかに甘くお茶碗にいっぱいになり一気に飲み干すと美味い。火をおこし岩魚をじっくり焼いて骨酒を作りペットボトルに入れてご飯と身をほぐして混ぜた岩魚ご飯と味噌汁と骨酒これだけで十分だ。骨酒も無くなるとほろ酔い気分でシュラフに潜り込む。明日も天気は良さそうだ。

5月5日
 夜中寒さで目が覚めうつらうつらしてるうちに明るくなり昨日同様ご飯の残りを味噌おにぎりにして7時に出発 少し進むと倒木も少なくなり左から枝沢が5mナメ滝で出合辺りから次第にナメと小滝が次々と現れるが再び倒木が増えてきて左から小沢が入ると三段15mが立ち塞がる様に現れる。右側の水流沿いも登れそうだが左側のルンゼ状の所を5m程登り大きく足を開き右にトラバース、カンテ状を慎重に落ち口まで登る。
 これを越えると倒木が再び沢を埋め急なガレとなり最後は左手の伐採跡の獣道を広い東仙波直下の出る、ここで白石山からの登山者と合い1時間程で行けるとの事 ここでまずは一休み。ヒルメシ尾根の分岐を目指し歩き始めると3組の登山者とすれ違う。聞くと以前と違い整備されているらしい迷う事は無いらしい。途中下山連絡係りの高橋さんに電話を入れ、約1時間半程でヒルメシ尾根との分岐に着き更に30分程進んだ所から曲沢を目指し下降開始、急斜面を30分程で水が現れて更に30分程で二俣に着く。快調に下っていくと次第に滝が現れる。3〜4m程で問題は無いがガイドでは数えるほどしか滝は無いと書いてあるものの、更に小滝とナメが続き右手に小屋跡を確認した時点で金山沢に入った事に気付く。尾根を一本読み違えて下降した様だが仕方ない。相変わらずナメと小滝が現れ、特に問題は無いが意外と時間が掛かる。2つ目の小屋を過ぎると再び小滝が続きミニゴルジュも越えると出合のゴルジュ帯はもうすぐだった。ここは3つ程滝が続きまとめて左から巻くのだが急斜面で懸垂2回で出合の大きな釜にたどり着く。思いの他時間が掛かってしまった。途中川の監視人と出会い、沢小屋沢手前の吊り橋の100m先から左手に上がると道があると聞き行ってみるが、かなりのアルバイトのようで再び本流を下降。来た時は巻いたのだか意を決して泳いで通過。漸く豆焼沢出合に辿り着く。跡はR140に這い上がるだけだ。途中横切る工事中の道を探ってみるが何処に出るか判らず、諦めて急な岩尾根を登り始めたが思いの他速くR140に着く。しかしここから駐車場までが思ったより長く感じられた。
 携帯が繋がらず雁坂トンネルを越えて三富村の辺りで漸く高橋さんに電話、途中塩山で馬刺し定食で馬力を付けて中央道の渋滞に突入し、帰宅したのは22時を回っていました。
 滝川本流は水量も多く釜の多くは巻けるが泳いだ方が速く通過できる。また槙ノ沢と続く八百谷は難しい所もなくのんびり行ける沢ですが、岩魚は期待薄。また滝谷右岸道は使えないとの事でしたし左岸道も本流を遡行した場合と大した差も無く本流遡行が楽しいです。
 今回は岩魚こそ釣れませんでしたが、カワネズミとの遭遇は珍しい事だと大田原さんに聞かされました。(写真を撮りましたがピンボケでイマイチでした)

【行程】
5/3 天狗岩トンネル(12:10)〜豆焼沢出合(12:50)〜曲沢出合(15:50)〜テン場(16:20)
5/4 テン場(7:00)〜夫婦岩(7:53)〜槙ノ沢出合(10:10)〜八百谷出合(14:00) 〜テン場(15:00)
5/5 テン場(7:00)〜三段15m滝(7:43)〜登山道(9:00)〜下降開始(11:00)〜上部二俣(12:00)
   〜金山沢出合(14:30)〜駐車場(16:30)