TOP会員山行録2006年

マイナー名山、増毛の鋭鋒

増毛山塊/群別岳(山スキー)

佐貫

【日時】2006年5月6日(土)
【メンバー】 関口(L)、棚橋、佐貫、笹川

 群別岳(「くんべつだけ」、「ぐん」と濁らないらしい)は、増毛山塊・暑寒別岳の隣にあって異彩を放つ鋭鋒である。「道内五大鋭鋒」とか「四大鋭鋒」というのにも含まれているとのことだが、あとの鋭鋒が何処なのかは分からない。以前、岳人で「マイナー名山」という特集記事が組まれて矢筈岳を筆頭に12のマイナー名山が選定された。その中の一つが群別岳だったことから、何となく私の頭の中では「北海道に行くならピリカヌプリ(注:道内で同じく名山に選出されているもう一座)か群別に行ってみたい」という考えがあった。今回は暑寒荘で同宿した札幌の登山者の方に群別川林道からのルートについての情報を聞くことが出来、天候にも恵まれたために運良く日帰りで群別岳に登頂することができたわけである。

5月6日
 群別川の林道には途中に簡易水道の取水設備があるらしく、除雪もかなり奥まで入っていた。除雪最終地点(林道の分岐点)にはシトロエンが一台停まっており、出発して林道を奥へと進んで行くとスキーヤーのトレース。どうやら先行者がいるようだ。群別川の流れの音を聞きながら林道の道形を辿る。手嶋さんが好きそうな風景だ。
 林道終点からしばらくは沢型を登り、緩い台地状となったところでやや北西側に回り込むようにしてなるべく上り下りがないように進むというのが関口さんのルート取りである。しばらく進むと、北の方にポコポコと双耳峰のような感じの2つのピークが立ち上がっているのがよく見えた。
 ここからは沢筋(増田の沢)を群別川の稜線まで登って行くことになる。一箇所だけ滝が出ていたがさしたる難所も無く、ジリジリと音がしてきそうな紫外線攻撃に耐えながら鞍部を目指して登る。下の台地から遠望したときにはくっついて見えた二つの小ピークは、近寄ってみれば結構離れていた。
 群別岳山頂を踏んで来たらしき人影が二つ、手前のピークの頂稜部で動いている。関口さんは、スキーを履いたまま本峰である奥のピークとの間の鞍部までトラバースしながら登っていくルートを選択したので、上の二人とすれ違うことは無かった。途中まではスキーで行けたが、鞍部まではどうにも斜度がきつくなってしまったので、途中でスキーを背負うことにする。こんな時、フリートレックは軽くて楽だ。
 稜線に上がってしまえばトレースもあり、10分程度の登りで木製の標識が立つ群別岳山頂へと到着である。結局、山頂の周りにほんの少しハイマツが出ているだけであとは全て雪の上を登ることが出来た。辺りをぐるり見回すと、どこもかしこも滑りたくなる斜面ばかり。唯一、群別から北西側に続く稜線だけがナイフエッジになっている。暑寒別との間の尾根の西側に、はっきりとしたトレースが刻まれているのは、スノーモービルだろうか。やや霞み加減ではあるものの海も見えて、利尻に続く「海の見える山」第二弾という感じである。
 ひとしきり展望を楽しみ、頂上直下の急で割れかかっているところだけツボ足で下り、スキー滑降の準備をする。行きに担いで登った急な斜面も数ターンで降りてしまい、増田の沢の広大なバーンを楽しみながら下りる。林道についてからはフリートレック泣かせの平坦な長い道のりだったが、根性でこぎ続けて無事出発点に帰還。
 他のマイナー名山に比べればややアクセスが容易な感じではあるが、印象的なピークと素晴らしい斜面を堪能でき、GW北海道ツアーの良い締めくくりとなった。

【行程】
5/ 6林道分岐点(135m)(6:55)〜林道終点(380m)(8:25〜8:40)〜群別岳(12:35〜12:50)〜出発点(15:20)
【地図】雄冬、浜益