TOP会員山行録2006年

山の恵みの沢

只見/伊南川小川沢右俣〜左俣(沢登り)

大田原

【日時】 2006年6月10日(土)〜11日(日)
【メンバー】L田邉、木下、川鍋、山川、大田原

 田邉さんがわらじ始めに選んだ「小川沢」。カシミール上の地形図とにらめっこして見つけたというのがおもしろい。記録が見当たらないが、さて、どんな沢なのかな。

 小川の集落から小川沢沿いの林道へ入る。ここらはもう雪はなく、新緑の整った道だ。藤尾岐沢出合付近の広くなったところに車を止め、沢の装備に身を包む。釣り人のものか山菜採りのものか、沢への踏み跡がついており、難なく沢へ下りられる。
 水量は思ったより少なく、淡々と河原を歩く・・・わけはなく、周囲の泥斜面や木々に目を配り、ときに脱線しながらのんびり遡っていく。穏やかな天気に包まれ、沢の季節が巡ってきたことを実感するひとときだ。こんなとき、河原をてくてく歩いているだけで嬉しいと感じるのは私一人ではないはずだ。
 さて、沢靴で歩く感覚もなじんできたころに、いよいよ12メートルほどの滝が姿を現す。ここは左岸手前の泥斜面を這い上がり、滝上に出られる。この滝を過ぎると、たまに雪渓が出てくるようになる。それらを乗り越しながら、なおも進めば二俣に到着する。二俣を過ぎるとコンスタントに小滝が出てくるようになる。私は「これは登れるな」「これは無理だな」と自分で考えてみながら越えていったのだが、驚いたことに私は「登れない」と思うようなところでも田邉さんや木下さんはひょいっと直登していってしまった。分かってはいたけど、実力のなさを改めて実感してしまう。ある程度進むと雪渓の頻度が高くなり、長さも長くなってきた。適当なところでテン場を定め、宴会モードに突入!焚き火の炎は貧弱だったものの、山の恵みに舌鼓を打ちつつ、夜は更けていった。
 翌日は稜線を目指して出発する。稜線はすぐそこだ。このあたりは秋の恵みがすばらしいそうだが、アカマツはそれほど見かけない。ふと目を上げると、会津駒の真っ白な姿が飛び込んでくる。大げさでなく、まだスキーができそうな感じだ。狭い稜線を後に、左俣へ下る。渓相は右俣と似た感じ・・・かな。沢の中よりも周辺の泥壁に気を取られてしまう私(だけじゃないはず)だったが、順調に二俣へと戻ってくることができた。あとは前日と同じ道、気楽なものだ〜と思っていたら、なんと先を行く木下さんたちが雪渓をくぐって行ってしまった。まだ私は雪渓をくぐったことはなく、ただただ恐ろしいことと思ってきた。まさかこんなところで初体験することになろうとは・・・。雪渓の中はとても暗い。足元がよく見えなくて、つまずいてバシャバシャやっていたら、笑われてしまった。早く抜けたくて必死だったんですよ、私は。そんなこんなで下降を続け、12m滝も先頭の見事なライン取りで巻き下ることができた。
 車へ戻って一息いて家路についたのだった。

【グレード】2級下
【行程】
6/10 車(9:00)〜12m滝(10:15)〜二俣(12:15)〜BP(14:00)
6/11 BP(7:10)〜稜線(10:00)〜二俣(11:10)〜車(13:00)
【地図】「田子倉湖」「只見」「会津横田」「会津小林」