【日程】2022年9月24日~25日
【メンバー】H(単独)
【コースタイム】
8/24
室堂(8:05)~雷鳥沢キャンプ場(8:40)~剱御前小屋(9:50)~剱沢キャンプ場(10:15/10:30)~平蔵谷出合(11:20)~長次郞谷出合(11:40)~真砂沢ロッジ(12:00/12:15)~二股の吊橋(13:00)~仙人峠(14:20)~池の平小屋(14:55)
8/30
池の平小屋(3:40)~剱岳展望台(4:10)~旧鉱山道取付(小窓雪渓取付) (4:25/4:40)~小窓雪渓の上端(5:20/5:30)~急な雪渓(今回は全て溶けていた)(6:15)~発射台(6:40)~三ノ窓(7:00)~池ノ谷乗越(7:45/8:00)~長次郞のコル(8:50)~剱岳山頂(9:10/9:40)~カニのヨコバイ(10:05)~剱御前小屋(12:00)~雷鳥沢キャンプ場(13:00)~室堂(14:45)
【メモ】
・池ノ平小屋~発射台まではピンクテープ豊富。発射台~剱岳山頂までは目印無し。
・2560ピーク~小窓ノ王の間の雪渓横断ポイントは、雪渓が残っているとピッケル・12本爪アイゼンが必要なため、池ノ平小屋のインスタ等を要確認。
・ルーファイを間違えなければギアは必要無いが、間違えた場合懸垂が必要な場合があるので最低限の装備は持参した方が望ましい。(多くの登山者はギア無しで北方稜線を通過)
8月24日 ガスの中
扇沢からアルペンルートを乗り継ぎ扇沢へ。ミクリが池から雷鳥沢キャンプ場までと、剱沢キャンプ場ではガスが抜けて青空も見えたが、それ以外は池ノ平小屋までずっとガスの中。結局日没後しばらくしてようやくガスが抜けた。
剱沢キャンプ場に常駐している山岳警備隊に剱沢と北方稜線の情報を聞いてから出発。剱沢キャンプ場からしばらく右岸の夏道を進む。平蔵谷の出合は雪渓を越えて右岸の夏道に乗る。このとき、ガスがひどくて夏道がわかりにくかったので、GPSを見ながら右岸をよく見たらピンクテープがあり夏道に乗ることができた。平蔵谷出合~長次郞端出合の間ではFIXロープの張られたスラブの斜面をトラバースする。染み出しが滑りやすいので、足の置き場に気を使う。長次郞谷出合ではホースに着けられたピンクテープを目印に雪渓に乗って左岸に移り、左岸の夏道を進む。
平蔵谷出合~長次郞谷出合の間のスラブ
長次郞谷出合で右岸から左岸へ移る
真砂沢ロッジと二俣の間には1箇所、沢の傍をトラバースする鎖場がある。前日の台風通過で増水気味だった。
真砂沢ロッジ~二俣間の鎖場
二俣の吊橋を渡ると、修行のような登り。心を無にして仙人峠まで登り、なんとか池ノ平小屋に到着。池ノ平小屋は別料金を払えばお風呂に入ることができるが、今回はパス。
8月25日 快晴
池ノ平小屋を出発してすぐに旧鉱山道(北方稜線ルート)と池ノ平山に向かう登山道の分岐。道をまっすぐ進めば旧鉱山道(看板無し)、右に分岐すれば池ノ平山(看板あり)。剱岳展望台では黄色の看板があり、ここからバリエーションルートとなる。
旧鉱山道取付(小窓雪渓取付)で軽アイゼンを装着し小窓雪渓を登る。斜度は緩いのでここではピッケルは不要。
小窓氷河の上端からはガレ場を尾根に向かって登る。尾根に乗ってすぐに最初の道迷いポイント。右は間違いで今回はトラロープで封鎖してあった。左のピンクテープを進む。
池ノ平小屋から発射台まではポイントポイントにピンクテープがあるので、景色をしっかり確認しながら進む。
ルートがモルゲンロートに染まる(池ノ平小屋のインスタによると1ヶ月ぶり)
2560のピークから標高50mくらい下のところでトラバースに移る。奥には小窓ノ王の大岩壁が見える。
急な雪渓があるルンゼは、今回は全て溶けていたので問題無く横断するが、雪渓が残っているとピッケル・12本爪アイゼン必要である。
小窓ノ王の大岩壁が見えるところに、ピンクテープと岩に薄く「→」の矢印。この先トラバースの踏み跡を進むと行き詰まるそうだ。ここでトラバースから登りに変わる。大迫力の小窓ノ王を横目に、ピンクテープに導かれながらどんどん登る。最後は発射台に向かって少しトラバース。発射台からはガレガレの池ノ谷ガリーが見える。
発射台からは三ノ窓までザレザレのバンド状の急坂を下る。三ノ窓の少し上には左の岩壁に1本FIXロープがあるので、ロープを目印にルンゼのど真ん中から岩壁のバンドに移る。
三ノ窓から池ノ谷乗越に登る際、左側の灌木帯に踏み跡があるが途中で踏み跡が消えており、これはたぶん間違い。三ノ窓からずっとガレ場を登る。
個人的には、北方稜線全体を通して、発射台から三ノ窓への下りと、三ノ窓から池ノ谷乗越までの登りが一番気を使った。気をつけても落石が起きるので下に登山者がいる場合は特に注意する。
池ノ谷乗越の正面にある岩壁はフェースを登る。左側のルンゼは落石が集まるので登らないこと。
池ノ谷乗越正面の岩壁を登ると八ツ峰が見える
長次郞の頭に向かって少し稜線を進むと、左側に残置ロープがある岩棚が見えるので、ここをトラバース。
この先は踏み跡があり、長次郞の頭は左を巻くのが簡単らしいので左を巻いてみたが踏み跡が複数あり、長次郞のコルにクライムダウンするルートがよくわからなかったので、途中で稜線に登ってからFIXロープを伝って長次郞のコルに下りた。
個人的には、池ノ谷乗越~長次郞のコルの間はわかりやすいだろうと思ってあまり予習していなかったが実際はわかりにくかったので、ここも事前に予習しておいた方がいいと思う。
長次郞のコルから剱岳山頂の間に長いFIXロープがあるので、これを目印に登る。
剱岳山頂には30人くらいの登山者で賑わっていた。
剱岳山頂からは別山尾根を下る。当日朝8:50頃にカニのヨコバイで滑落事故があったようで、9:50頃に消防防災ヘリコプターが飛来し、10:05頃に要救助者をヘリに収容していた。後でニュースを見たら、残念ながら死亡事故となってしまったようだ。
剱御前小屋、雷鳥沢キャンプ場を経由し室堂に帰還。14:30頃には雄山~一ノ越間で消防防災ヘリがレスキューを行っていた。事故が多い1日となった・・・。
14:55発の室堂発美女平行きの臨時バスに乗り、15:50発の臨時ケーブルカーで立山駅に降り立った。16:10発の富山地鉄で富山駅に出て、富山駅できときと寿司を堪能し、新幹線で帰京した。
快晴の中、北方稜線を楽しむことができた。裏剱は剱岳の魅力がたくさん詰まった素晴らしいルートだった。一方で、カニのヨコバイでの事故のように、死亡事故に直結する趣味を行っていることを再度痛感した。