大畠谷右俣

【コースタイム】

9/16 桂川オートキャンプ場(7:30)~大滝上(10:00)~二股(14:15)

9/17 二股(5:30)~スラブ登攀終了(9:00)~コル~二股(11:50)~車道(15:45)

【メンバー】F本、K原、G藤

沢登りを始めてしばらくたつが、未だに5級とグレーディングされる沢は遡行していない。今回、F本さんとK原さんがオバタキタンに入ると聞いて、同行させてもらえることになった。

9/16

数時間の仮眠をとって桂湖オートキャンプ場へ。沢ヤらしい先行者が出発していくところに鉢合わせした。我々も装備を整えて出発。ダム湖に降りて沢を進む。早速荒々しい渓相に、奥に待つ二俣を想起する。1つ目の大滝は左岸から高巻く。藪の中から笛の音が聞こえており、先行するためにさらに高度を上げる。途中、ハチに刺される。ぶなの会の記録でもそのようなハプニングがあったのでこの後のコンディションが著しく不安になる。幸い、すぐに追い払ったので傷は浅かった。だが、別の問題がすぐそこまで迫っていた…

バックウォーターから間もなく始まる荒々しい渓相

懸垂して沢に降りて、少し休憩。虫刺されは酷くはなさそうだ。が、何やら動悸がする。少しペースを落としてほしい旨を伝えて出発。CSの2段滝を左岸から巻く。記録通り残置のリングボルトを発見して懸垂。懸垂して、沢に降りようというところで腹筋を攣る。熱中症だ…

リングボルトで斜め懸垂して滝上へ

この後は這う這うの体で同行者を追う。普段ならさもないムーブも大股を開くと腿が攣りそうになる。腹に力を込めると腹筋が攣る。どうにか進み、二段滝にかかる。記録通り2段目が悪い。リーダーに登攀を任せて必死にユマーリングする。後続パーティも追いつき、釜は混雑していた。後にリーダーが沢ヤの観光沢と言っていた(沢ヤの成瀬さんも剣沢をして究極の観光旅行と言及していたらしい(と角幡さんのブログに書いてある)が、まぁ確かに豊富な情報があれば、隔絶した場所であっても観光の要素は少なくないと自分も感じた)。

登攀自体はここが一番難しいと思った

リーダーに「ネオ丹沢」と言わしめた様相

上の大滝は右岸巻き。さらに続くゴーロをヨタヨタ歩き例の二俣に到着。噂通りの壮観な光景だ。ただ、思ったより水平方向の広がりが無いか?なんにせよ、混雑した中でテン場一番乗りだ。最良と思しき物件を確保する。その後、雨がパラつく中タープを張り、腰を落ち着ける。雨がやんだら壁を偵察する。セオリー通り右側のスラブを登ることにして行動終了。

テン場について一安心

左俣の大滝

9/17

5時30分から登攀開始。1P・F本さんリード。ルートが屈曲してクライマーの様子がわからない。しばらくして支点構築する音が聞こえる…途中支点とってました?まぁ落ちなければどうということはないってことですか。

すぐ右側の凹角状を登った

2P・G藤リード。スラブを直上。難しくは無いが浮石だらけだ。後続もいるから適当に投げ落とすわけにも行かず、えっちらおっちら進む。途中、気持ち程度にピンを1つとる。ロープいっぱいのところでちょうどテラス状がありそこで停止。支点構築に手間取る。

3P・F本さんリード。ここからトラバース。ここまで登ると視界が開ける。見渡すと、対岸で大阪わらじの会が大滝を登っている。向こうも石が結構落ちているようだった。程なくしてビレイ解除のコール。

4P ・G藤リード。適当にトラバースしていく。そこそこブッシュがあり比較的安心。20mほど行ってブッシュ帯に突入。登攀終了。

ブッシュでランニングが取れるので(比較的)意気軒昂にリードできる4P目。

ゴルジュの上は噂通りにのどかな渓相だった。だが、前日さんざん難儀させられた熱中症がヒタリヒタリと近づいてきた。腿が攣り始める。相変わらず上がらないペースで同行者を待たせながら遡行。最後は藪まじりの緩いスラブを登ってコルに到着。藪を下降し、途中懸垂を交えて海津谷に着く。段々と酷くなる熱中症の苦しみながら、先行者を追う。途中3,4回懸垂して黙々(悶々)と下る。堰堤が見えて、ようやく終わりかと思えば、案外下降が悪い。しかも藪がツタやらイラクサ混じりで嫌らしい。噂に聞くより随分多い堰堤を苦労して下降する。ようやく終わったと思えばダムのバックウォーターを越えるのも悪い。不安定なガレをうめきながら登る。後に続く不安定なトラバースをこなしてようやく終了。達成感よりも安堵感が勝ったのが率直な感想だった。

遡行終了。暑い

桂湖に到着。この後のガレが悪かった。