中ノ岐川藤原沢右俣〜利根川東俣沢〜裏越後沢右俣

【日程】2009/9/19(土)〜2009/9/22(火)

【メンバー】L佐貫(記)、棚橋、藤岡(写真)

天気に振り回された今年の沢シーズン、ずっと行きたかった裏越後沢を9月連休で目指しました。奥利根の神様が微笑んでくれた4日間となりました。

アプローチの中ノ岐川藤原沢は全く記録が見当たらない沢。

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藤原沢下部の渓相
地形図と周辺の遡行経験から、ここしかないかとルートに選ぶ。
この沢は予想よりも沢の切れ込みが深く、沢床は殆ど急な草付とあって、数回の大高巻きを余儀なくされた。
藤原山付近の藪稜線に出たのは二日目の昼過ぎに・・・。

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最初は背丈を越える藪

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部分的に歩き易いところもある(あくまで「部分的に」)

下降は、利根川源流左岸の東俣沢。
間違って一本前の喜代志沢(滝が多いらしい)に入ってしまうと大変なので、慎重に読図をしながら下降地点へ。一部ツル交じりの猛烈な藪。
一時は下降途中で時間切れになるかと思ったが、連瀑帯の巻き下りが上手く行き、17時に本流に降り立つことが出来た。満天の星空に感動。
3日目、後半の天候が下り坂との予報に少し悩みながらも、予定通り裏越後沢遡行を決める。
本流の水量が非常に少なく助かったが、朝6時前からの泳ぎは寒かった。
裏越後沢出合の滝は大釜を泳いで取り付く。

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裏越後沢出合の大釜と滝

非常に美しい渓相で、見事なV字谷がずっと続く。

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中俣出合までは小滝が多いが、とにかく水が冷たくて手がしびれてくるほどだ。

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滝は小さいが釜が発達している

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歯の根が合わない!

雪渓は一箇所くぐり、二箇所崩壊済み。

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雪渓がほとんど無かったのはラッキーだった

中俣出合を過ぎると険悪な連瀑、登れないので大高巻き。
そろそろ下りようかと思うとその先にはまたもや連瀑が見えて再び巻き直し。最初から続けて巻いてしまえば1時間くらい節約できたかもしれない。

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二番目の連瀑帯が見えてしまった
この日はゴルジュを抜けた先で泊まる。
4日目は上部を詰め、笹主体の藪漕ぎで丹後の小屋手前の登山道に出た。小ピークに出て、魚沼平野と登山道が見えた時の感動は忘れられないだろう。

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道が見えた!

正体不明の藤原沢、20年以上前の記録しか見当たらない東俣沢と裏越後沢右俣という今までで最も怪しい遡下降ルートでしたが、自分達の判断で何とか前に進んでいくという沢登りの面白さ、奥利根の懐深さを満喫できた山行でした。
こんな計画に乗り、随所で力を発揮してくれたメンバーに感謝!
越後沢三部作(越後沢右俣、越後沢尾根、裏越後沢・・・勝手に命名)の完成バンザイ!