大川猿倉山

棚橋、山口、佐貫(記)

かねてから興味のあった村杉半島の山に、一歩足を踏み入れてきました。

田子倉湖をボートで渡り、村杉半島を全山縦走して丸山、会津駒までというのは夢ではあるけどなかなか時期が難しい。
雪のついているうちに一度様子をつかんでみたかったので、奥只見丸山スキー場から只見川沿いの電源開発道路を経由し、村杉岳から大川猿倉山を目指しました。

小雨の中歩き始めた只見川沿いの道は、リトル三国川林道。足を滑らせると只見川に落ちそうな箇所もあり、アイゼンを履いて進みます。

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只見川左岸の道

1時間半ほどで立派な上大鳥橋へ。ここで道は右岸へ渡ります。
村杉沢を越えて右岸尾根から登り始めるつもりでしたが、沢が渡れず、引き返して白滝沢との間の地点からゆるい尾根に取り付きました。
懸念していた藪尾根ではなく、ずーっとブナの巨木が点在する素晴らしい森が道のすぐ上に広がります。雨にけむるブナを眺めながら、白滝沢右岸尾根途中までゆるゆると登ります。

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雨に濡れながらブナ林を登る

ガスと雨のため、土曜は予定より手前の1395で行動打ち切り。

日曜は視界も広がり、よく締まった雪の上をアイゼンでガリガリ言わせながら村杉岳へ。北面には、これから目指す大川猿倉山とその先の猿倉山がよく見えます。

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途中までは問題なく雪を拾って行けそうな感じ。部分的には藪ですが、全体のルートのうちヤブレシオは15%くらいと大したことはありません。

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時折こんな藪が

大川猿倉山の山頂に立つと、ほぼ真横に毛猛が並びます。ここから見る猿倉山は、南面で斜面が急峻なこともあり、雪がほぼ落ちて真っ黒。かなり篤志家向けの雰囲気が漂う藪です。
GWの全山縦走には気合が必要かも。

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黒いピークが猿倉山

次第に雪が緩んできて、帰りは行きよりもすこし歩きにくい雪質になりましたが、ピーカンではなかったので暑さにはさほど苦しめられずに済みました。
幕場に戻り、荷物をまとめて往路を取り付きまで下ります。電源開発道路には行きにはなかったデブリが数箇所見られました。
たった1泊2日ですが、人跡稀なる村杉半島にひたることができて大満足。あのブナ林は、今まで見た中でも3本の指に入る見事なものでした。
いつかまた、ピークを目指さず、ただ泊まりに行ってみたいような場所です。