【日程】2008/4/26〜4/29
【ルート】北アルプス 不帰岳東面 I 峰・III峰
【メンバー】田邉、小暮、笹川
不帰に行ってきました。3月にも行ったのですが、入山者も少なく(というか他パーティなし)手ごたえのある雪稜を楽しめるところで、GWもまた来てしまいました。
今回は、不帰東面で最も長大な I 峰尾根を全装備を背負って 2日かけて登り、3日目に III 峰のA尾根かC尾根をアタックして4日目に下山の予定でしたが、思いのほか?峰に時間が掛かってしまいました。2日目に I 峰を越えられず3日目の朝になってしまったので、3日目は主稜線を縦走して唐松山荘の付近のコルに泊まり、4日目にC 尾根を登ってから下山しました。
【不帰沢をめざして】
八方尾根スキー場のトップから八方池まで登り、そこから沢伝いに下降して沢床に降りる。しばし沢を登ると唐松沢と不帰沢の出合いとなる。ここから不帰沢からルンゼを登ってI峰に取り付く。
【I 峰下部】
雪壁を登っていくとしだいにブッシュとなり、シュルンドを右に左にかわし、更に雪の無くなった草付や垂直の潅木登りとなる。ザイルを出さずに登ってしまったが、出してもよいかもしれないという程度。苦労して稜線に出る。稜線上に平らなところがあったので、スノーリッジを切崩して幕場とする。
【I 峰の稜線】
2日目。ロープをずっと使う1日となる。合計8ピッチとなった。
下部は薮とスノーリッジの処理が大変。
雪がぐずぐずの状態で苦労した。
易しいところはザイルを使わずに越えて行く
【核心部 断壁】
核心部だ。遠めに見ても厳しそう。ここは、壁の右側に残された残置ハーケンを更に打ち込んでアブミの架け替えで突破した。ガイドにあるような正面のクラックはオーバーハングしており、掛かっている古い残置スリングには到底手が届かない。ここはもっと雪が多くて手が届く場合にのみ選ぶラインなのだろう。この登りは荷物を背負って登れないので、荷揚げをしたが結構時間がかかった。上から見て分ったが、岩を直登せずに左側のルンゼを登ってもよい。その場合は、見た目では3級程度の岩登りで済むと思う。
更に雪壁が続く。
左から支尾根をあわせると傾斜が緩くなり、ロープ不要の雪面登行となる。時間が押してしまい I 峰を今日中に通過することができず、山頂直下の岩場の手前に幕営した。
3日目
I 峰の最後の雪壁を登る。潅木交じりの登攀だった。9時15分に I 峰の頭に立つ。
本来なら昨日中に I 峰を越え、III 峰と唐松岳の間のコルのあたりに幕営して本日はA尾根かC尾根を登るつもりだったので残念だが、予想よりも I 峰が難しかったので仕方ない。
ここから II 峰、III 峰、唐松岳を越えて縦走する。眺めが良い。唐松岳から唐松山荘との間のコルに幕営する。唐松沢側の斜面に半雪洞を堀り、その中にテントを張る。風を避けられる良い幕場であった。
4日目 不帰 III 峰C尾根
当初は3日目にA尾根かC尾根だったが、時間が掛かって仕方無いので、半日コースのC尾根を登ってから下山することになる。
ここから唐松沢本沢を下降してC尾根に向かう。
III 峰の素晴らしい稜線
雪壁を登ってP1の基部に取り付く。
乗越しが完全に岩。右のクラックのラインと、中央のフェースがあるが、右のクラックラインにアブミを使って取り付く。
岩場の上は更に雪壁となる。このピッチは昨日までと全くことなり、雪面が非常に堅い。
悪い雪壁の登り 30mであった。
上部はきのこ雪との戦いでもある
C尾根最後の雪壁を登る。なかなか充実しました。
山頂を回ってテント場に戻り、荷物をまとめて下山する。
会心の山行となりました。