中央アルプス/越百川

【日 時】2008年7月26〜27日

【メンバー】小暮、棚橋、ささがわ、(佐貫)

【ルート】中央アルプス/越百川

下田川内方面に行く予定でしたが、予報が悪いので中央アルプスに転進。

中央アルプスはこのパターンで行くことが多い。場所は一昨年に田邉さん達が遡行している越百川。下部ゴルジュの突破が素晴らしいようだ。

発電所のゲートから越百川林道を辿って沢に入る。1本取ったところで、佐貫さんが連日の激務と昨夜の道の駅でのうるささで寝不足なのがたたったのか調子が悪いので帰るという。残念ながら、ここで別れ3人パーティとなって遡行を継続する。

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すぐに最初のゴルジュ8mの滝。

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ここは右岸を小さく巻いて落ち口で長スリングによるゴボウ懸垂で降りる。

泳ぎを交えてゴルジュを進むと核心の5mCS滝。

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ここは以前、田邉さん達が行ったときは落ち口から倒木が斜めに掛かっていてそれをうまく利用して突破したところである。今回は倒木は無いので、泳いで瀑布の下まで進むが水圧と手掛かり足がかりの無いのっぺりとした岩に太刀打ちできない。

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なんとか活路を見出そうと滝の右側のクラックから左上にハーケンを連打。スリングを掛けてA1。都合ハーケン6本。カム2個を駆使し、全てA1による強引な人工登攀で上に抜けた。

セカンドは大変だろうと水流に沿って上から引き上げようとするが、水圧で上がれず断念。荷揚げしてから、改めて右クラックから登ってもらう。上と下での意思疎通のまずさと難しいところを強引に登ったのがいけなかった。この滝で2時間半近く掛けてしまった。ここ一年のクライミングで一番時間がかかったまずい失敗だった。

名古屋ACCの過去の記録によれば、手前から巻いて登るのに1ピッチ、懸垂で2ピッチを要し、都合1時間以上かかったとのことであるが、この滝が核心であろうことは間違いないだろう。

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続いて倒木が左の凹角にかかった滝。

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倒木を利用して空荷で上る。途中で荷揚げして2ピッチで登る。

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続いて泳いで突破する滝が続く。

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その先の2mの滝のかかる淵は流れは緩く泳いで落ち口まで行けるのだが、手掛かり足がかりが無くて這い上がれない。必死にアイスハンマーを窪に引っ掛け、更にスリングをつけてA1してはいがった。

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その先のトイ状の滝。ザイルをつけて10mほど泳ぎ、最後はツルツルの凹角に両足を最大に開いて突破。

どうやら以前の記録よりは水量が多かったみたい。もっとも増水というほどではないので、これよりも条件が悪い場合もあるのだろうが。これでようやく第一ゴルジュを通過。時間かかったがその分楽しめたともいえる。

その先はゴーロ歩きとなり、取水堰堤を過ぎ、予定より大分手前の下南沢出合いで幕。

翌朝は下山遅延にならないように早起きしてなんと5時30分には出発。

第二ゴルジュは最初2mの釜の滝を左岸から容易に小さく巻いて、5mの懸垂。その先のゴルジュ帯は特にとれといった困難はなくほぼ水線ぞいにあっけなく通過。第一ゴルジュと比較すると拍子抜けするほどあっけない。

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あとは延々とゴーロとなった沢を詰めるだけ。標高差1000m近い。歩け歩け大会となり、体力勝負だ。

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昨日の第一ゴルジュでの時間がかかったのが響いて、最後は時間切れにならないように忠実に本流を詰めて山頂を目指さずに、越百小屋の方のガレの堆積する支沢へと詰め上げる。本流を詰めても何も無いことが分っているのでこれは正解だった。標高差で250mも違うのだから、下山も含めて約1時間30分の短縮である。

最後は手掛かりの無い蟻地獄的な崩壊した狭い谷をだましだまし登り、薮漕ぎ無く登山道に出た。下山は登山道をお気楽の予定だったが、最後の最後の林道で夕立につかまりびしょ濡れになってしまった。

下部のゴルジュは美しくて、難度もあり素晴らしい谷だった。中流部から上はひたすらゴーロでありとても長いが、総合的にみてなかなか楽しい沢であった。