【日程】2024年6月1日
【コース】6/1 西沢渓谷駐車場05:30)~東沢出合~東御築江沢出合(07:20)~大滝下(09:00)~大滝上(11:30)~御築江の窓(12:45)~駐車場(14:30)
【メンバー】Fもと(記)、Fなが、Mもと
奥秩父の中でも登攀的な沢を多く抱える笛吹川流域。中でも東のナメ沢がビジュアルも相まって有名ですが、より困難な沢としてよく名前が挙がるのが東御築江沢(ひがしおつくえさわ)です。
この日はもともと土日で少し遠くの岩場に登りに行く予定でしたが、日曜日は雨ということで近場の日帰り山行の転進先として白羽の矢が立ちました。
前の晩は夜中の1時ごろまで雨。1週間前から雨の日が多く増水間違いなしな状況。ただでさえ時間がかかっている記録が多い沢なので朝5時半に出発します。途中林道が横切るヌク沢などはすごい水量です。
東沢に入り、捲き道を使いながら1時間ほど歩くと東御築江沢出合に到着。F1の水量はネットで見たどの記録よりも多いです。普段なら水はチョロチョロで大部分が乾いているとのことですが、今回は沢らしい沢になっています。ひとまず水は汲まなくてもよさそう。
天気予報の時点でF1の直登は考えていなかったため、ここは左岸から捲いていきます。木も生えてますが、スラブに乗った草付を頼りにトラバースする感じでやや悪いです。この沢の捲きは終始こんな感じでいやらしい。
その上もスラブ状の沢が続きますが全体的に濡れています。しかもだ濡れているだけなでなくヌメりがひどく、F2の下で立ち止まり一度引き返すか検討しました。しかし沢は急峻ではあるものの浅く、立ち木へのアクセスはしやすいため、とりあえず引き返しのための懸垂支点には困らない様子だったことから、登れるうちは先に進むことに。
F2は右岸草付きを登り、F3はロープ出して左寄りに登りました。
すぐに2股となり左股へ。
F4は1段目を右岸ルンゼから捲き、バンドをトラバースして2段目の下へ。トラバースはお助けを出しました。2段目は容易。
F4を登るとすぐに大滝が出てきました。1段上のテラスを目指して右岸草付きから大きく回り込むように登り、テラスへの右トラバース途中にあるしっかりした立ち木から登攀スタート。記録に出てくるリングボルトはもうないようでした。
1pts 45m
水流右のクラック沿いに登るのが一般的なようですが、濡れていて考えられないので左のブッシュ交じりの草付きラインを30mほど直上。頭上につるつるの垂壁が近づいてきたら露岩のスラブを5mほど右にトラバースして適当な立ち木で切る。
2pts 40m
引き続き水流めがけて右へトラバース。出だしが少し怖い。水流まで来たら岩を快適に登り、傾斜が急になる手前から右岸のブッシュ帯へ逃げ込む。
3pts 40m
そのまま右岸のブッシュ帯を直上して滝を登り切ります。草付きは例によってスラブの上に乗っているだけ。このピッチが最も悪かった気がします。
大滝の上は5m程度の滝が二つ連続します。2つ目は右からお助けを垂らしました。
その後もスラブ状の小滝をいくつか越えると逆三角の滝。これは容易な左岸捲き。
逆三角の滝の上もスラブ状でそこそこ傾斜があるため左の草付きっぽいラインにルートを求めますがここもいやらしかったです。
これを越えると目の前にぬめぬめした7mほどの滝とその奥に暗いルンゼが現れます。ここで右のガレたルンゼ状に入ると5分もしないうちに御築江の窓に到着。これは一見の価値ありです。
窓でひとしきり記念撮影を済ませ、スパイクをつけて反対側の東御築江右股に下りトラバースしていきます。小尾根を一つ乗越し次の涸れ沢を詰めるとチンネのコルで登山道に合流しました。ここのルーファイを心配していましたが、他にあまり進みようがないため明るければ迷う心配はそれほどないかと思います。
あとは夏道を淡々と下り、鶏冠谷出合いに戻ってきました。駐車場に着いたのは14時半ほど。
雨上がりで水量多く岩も濡れていたため、逆に割り切って一番簡単そうなところを登ったおかげか、かなりスムーズに終えることができました。
隣の東のナメ沢と同じくスラブ系でありながらも、こちらはもっと地味で泥臭く、エッセンスとしてはより沢登り的な内容に感じました。右股もそのうち行ってみよう。