【日 程】 2009年9月5日(土)〜7(月)
【ルート】 追良瀬川〜津梅川
【メンバー】 斎藤健(記)、吉岡
夏が終わり、ヒッソリと静まり返った白神山地。
広大なブナの森と穏やかな追良瀬川の流れが優しく僕らを迎えてくれました。
今回は、追良瀬川からウズラ石沢へ曲がらずに、往時のマス獲りの径を辿って大間越に抜けるルート。
そのルートの近くにある、幻の滝も無事発見できるでしょうか。
【追良瀬川の流れ】
天気は3日間、毎日晴れ。
穏やかな流れが続き、鏡のような水面には、木々の姿が映りこみます。
そろそろ枝先は黄色く色づき始め、時折、ハラハラと水面に落ちていきます。
ブナだけの森かと思っていたら、川沿いにはカエデやサワグルミをよく目にしました。
動植物も豊富です。
イワナ、黒セキレイ、カエル、ノコンギク、ダイモンジソウ、エゾリンドウ、ナメコ...。
ブナの木の根元には熊穴も。
【淵をへつる】
たまには、淵をへつったりすることもあります。
ただ、何が何でも突破する必要はなく、お好みで巻き道をたどることもできます。
【ヒグラシの滝】
遡行を開始して2日目の午後。
白滝沢を100mほど遡行するとヒグラシの滝を発見。
対岸の尾根に上がりようやく滝の全貌が見えてきます。
ここまで、小滝すらなかった追良瀬川に、こんな大滝があってビックリ。
前回トマで追良瀬川を遡行した際には発見できなかったこの滝。
志水哲也の幻の滝にも掲載されている有名な滝です。
ちなみに、ヒグラシとは、「一日中眺めていても飽きない」というところからつけられた名前。
サラサラと気持ちの良い流れ方ですね。
【マス獲りの径 標高820m付近】
カンカケ沢と黒滝沢を分ける稜線直下の支尾根で発見した、マス獲りの径。
この径を真っ直ぐにたどり、支尾根をはずさなければ、笹原の向こうにカンカケ沢が現れる。
このマス獲りの径は、今でも断片的に残っており、2日目の夜は、整地の必要のないこの径の上(標高620m付近)にタープをかけて泊り、3日目は径に導かれて稜線までたどり着くことができた。
サクラマス(※)であふれかえった秋の追良瀬川。
東の大間越の人々はこの径を通って追良瀬川を目指す。
一方、西の西目屋からは赤石川横切り、1日目に泊まった五郎三郎沢を通ってやってくる。
目を閉じ耳を澄ませば、ハレの日の魚を獲りにやってきた、昔の人々の往来が聞こえるようだ。
(※)追良瀬堰堤ができる前、サクラマスは産卵のために海からマス淵まで遡上してきたそうです。
下降にはカンカケ沢を使用。
標高420mまで伏流になっていて、水源からは透き通った美味しい水が滾滾と湧き出しています。
最後は、津梅川沿いに走る林道で釣り人に拾ってもらい、その日のうちに秋田までたどり着くことができました。