飯豊連峰・山スキー<杁差岳〜三国岳・飯豊川横断>

【期 日】:2010年5月1日〜4日

【ルート】長者原〜西俣ノ峰〜頼母木山⇔杁差岳(東俣川源流滑降)〜地神山〜門内岳〜北股岳〜洗濯沢滑降〜飯豊川横断〜大日岳〜御西山〜飯豊本山小屋〜御秘所沢滑降〜種蒔山〜三国岳〜大白布沢滑降・小白布沢滑降〜川入

【メンバー】:L石井 中村 木下

5/1 晴のち霰

<長者原〜西俣ノ峰〜頼母木小屋>

梅花皮荘から出発、700mまでは雪がなく、スキーを担いで登山道を登る。ここからシール登高に切り替え、ブナ林の尾根を辿る。1550m付近から強風と霰、岩陰で一息つく。

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【西俣ノ峰を越して】

リーダーの良いルートファインディングで1600mより笹薮の斜面を横切り、千代吉沢をトラバースして頼母木小屋に到着。 (行動時間:6時間)

5/2 晴(のち強風)

<頼母木小屋⇔杁差岳・千代吉沢⇔北ノ大沢/滑降〜地神山〜門内岳〜北股岳〜梅花皮小屋>

強風も朝には治まり、傾斜の緩い千代吉沢源流にスキー走らせ、北ノ大沢を登り返して杁差岳に登る。

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【千代吉沢滑降/杁差岳に向かう】

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【杁差岳ピーク】

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【北ノ大沢滑降】

北ノ大沢を滑降、楽しい1本であった。小屋に戻り、稜線を南下する。この稜線はすべてスキーが使え、まさに「東北のオートルート」だ。

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【地神山〜北股岳の稜線を行く】

門内小屋に後髪を引れつつ、北股岳へと頑張る。頂上は強風、長居も出来ず、シールをつけまま小屋へと下った。 (行動時間:8.5時間)

5/3 快晴(朝・強風)

<梅花皮小屋〜洗濯沢/中の沢〜飯豊川横断〜赤谷沢左岸尾根〜西大日岳東コル〜大日岳〜御西小屋>

強風によろけながら、出発。洗濯沢へのドロップポイントでスキーをセットする。やや硬い雪面、慎重に高度を落として一息つく。

程よくクラストが緩み快適なスキーとなるが、次第に高くなる大日岳に威圧感を感じる。

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【洗濯沢滑降1】

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【洗濯沢滑降2】

烏帽子沢出合手前で雪が切れ、ナメ滝が出ている。慎重にバックステップで下る。ここからはデブリが多くなる。

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【シュルンドを避けて】

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【飯豊川の懐へ・・・】

飯豊川出合は穏やかなところだが、予定の赤谷沢へは水流が出ており悪相で行く気になれない。烏帽子沢からのエスケープを提案したが、二人は上流に活路を見出した。ブリッジを渡り、水流の上を際どいトラバース、へばりついた雪面にステップをつけて横断、「ああ怖かった・・・」

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【飯豊川出合】

高差200mの急斜面をスキーを担いで登り、赤谷沢左岸尾根に乗るがそこはブナ林の別天地であった。

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【赤谷沢左岸尾根】

雄大な地蔵カル沢上部のスロープに酔いながら、大日岳に到着。標高差1300mもよきリード、ペース配分で登りきる。

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【地蔵カル沢上部の大スロープ】

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【北股岳を振り返る】

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【大日岳ピーク】

日が傾き、大日岳上部はクラスト、スキーは担いでステップを辿り下降。あとは緩いスロープを御西小屋へ、長い一日でした。(行動時間:10時間)

5/4 ガス(強風)〜晴

<御西小屋〜本山小屋〜御秘所沢〜御沢〜種蒔山〜三国山〜大白布沢〜地蔵山直下1350m〜小白布沢〜川入>

強風とガス(視界10m程)の中、出発。駒形山を経由して本山小屋に向かうが稜線の風は厳しかった。本山小屋で大休止、今後を相談、過去にトレースしている御秘所沢経由のルートとする。

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【御秘所沢滑降】

一王子付近よりスキーをセットして滑降、1850mまで高度を落とすと視界が開けた。後は快適に御沢までスキーを走らせた。種蒔山まで登返し、三国岳への稜線は崩れかけた雪堤が続くが、スキーを使用することが出来た。

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【種蒔山〜三国岳稜線】

三国岳からは雪庇とシュルンドを避けて大白布沢へ滑り込む、予想外に豪快な斜面だ。1250m付近から地蔵山〜長坂の稜線に登り返す。

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【大白布沢・ドロップポイントを探す】

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【大白布沢滑降】

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【地蔵山直下・たおやかなブナ林の尾根】

ここからさらに小白布沢へ滑り込む、快適。800m付近より沢が割れ、徒渉して左岸尾根に上がる。

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【小白布沢滑降】

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【小白布沢の徒渡】

林道にスキーを走らせて、標高600mでスキーを終了した。新緑と山桜の色合いに目を楽しませ、山菜を摘みながら川入へ。(行動時間:8.5時間)

充実した山スキー行でした、リードしてくれた若い二人に感謝、感謝。

【データ】登高高度:約5,100m  滑降高度:約4,300m 距離:約41km    【木下 記】