【日程】2007年11月3日・4日
【ルート】 佐梨川 雪山沢
【メンバー】L大野、田邉、山川
越後の銘渓。雪山沢に行ってきました(中退)。登山大系では楽しそうなのだけど記録がない。記録がない所以を堪能して見事に下山遅延。少々お気軽に行きすぎたかと反省しております。 雪山沢は、紛れもなく5級の沢だったと思います。
駒ノ湯から1時間程林道を歩き、桑の木沢出合いから入渓。
【小川谷廊下のようなゴルジュ】
圧迫感のないゴルジュを1時間程度で金山沢出合い。雪山沢のゴルジュは深まり、すぐに三階の滝。
【三階の滝手前】
右のルンゼから上部の灌木帯を目指して岩壁に取り付くが。ガバガバに見えた所は、いずれも外傾していて悪い。ハーケンを4枚打って何とか突破。【三階の滝】
後は、灌木帯を慎重にトラバースして小尾根を乗り越し、沢に戻る。この巻きに3時間を費やす。
小滝の連続を楽しく過ぎると、5mのCS滝。安易に高巻こうとして、結局振り子懸垂となる。
ゴルジュに傾斜は緩い2段15mの滝。
【15m滝。奥にピナクル】
空荷で取り付き、中程から左の岩壁を3m登り、下段落口にトラバース(怖い)。さらに、水流を少し行き、右壁を登って上段落口へトラバースして終了。ハーケン4枚とナッツを一つ使用。残置は皆無。
【15m滝下段】
一旦沢は開け、ガレ場の先に立派なピナクルが見える。
滝のちょっと下に、テントが張れそうな所があり、ここで泊まることに。
下はごつごつしていたが、流木も豊富。
20時頃からなぜか雨が降り出し、断続的に一晩中降った。
6時頃には小降りとなり、6時半出発。
最初の二つの滝を左から慎重に超えると、40mの立派な大滝が緩やかに落ちる。
【大滝】
左の緩い岩盤を登り、少し立っている所をハーケン2枚打ってバンドに至り、ピッチを切る(15m)。ここから、田邉さんリードで、落ち口に向けて水流左側にルートをとる。
すぐ終了と思っていたが、岩陰に姿が消えてからも解除の声はかからず、ジリッジリッとザイルが伸び、落石が水流に吸い込まれていく。ついに笛がなり、田邉さんが対岸に現れた。ザイル30m。ハーケン4枚・キャメロット1使用。残置2ありの悪い登りであった。
【大滝を登る山川(上から)】
15m滝。水流沿いは困難、高巻きも厳しそう。山川さん・田邉さんからハーケンとガチャ類を借り、さらに、アブミも持って取り付くが、いずれも役に立った・・・カンテを登る予定で取り付くが、右のスラブに追いやられ、凹状のスラブを登る。ハーケンを足場に少しずつ、ついにはアブミも使ってよじ登った。バンドに出て、これで終わりと信じていたら甘かった。
更に、不安定なバンドを浮き石を落としつつたどり、ハーケンを打ち、矮小な灌木を掴み何とか灌木のあるテラスに這い上がった。ザイル40mに、ハーケン7枚+残置2。怖かった・・・。
【15m滝】
この先は、5mほどの段差を灌木を掴みつつ登ると、比較的緩やかな斜面となり、ピナクルの尾根に出て、登攀終了。
この時点で昼。撤退も考えるが、この地点からではどうしようもない。
先には奥壁スラブとカール状の雪渓。その手前には立派な滝が立ちふさがって見えたので迷うが、25mの懸垂で沢に下りた。厳しそうに見えた滝は、ワンポイントの荷揚げを要したものの、簡単に登ることができた。
【小尾根から】
カール状地形は、奥に巨大な高さの雪渓を持ち、紅葉のスラブに幾筋かの流水を持つ美しい所。
【カールから奥壁】
すでに13時を回り、明るいうちの下山は厳しくなってきた。奥壁のスラブは、いずれも立って見えて、階段状には見えない。奥壁は諦め、手前のルンゼに入る。
【巨大な雪渓】
ルンゼを適当に進むが、やがて行き詰まり、高巻きからリッジ登りとなる。垂直ヤブこぎは女性に厳しく、握力の果てた山川さんにザイルを出すなどして、稜線に着いた時には暗くなっていた。しかし、実質行動時間は少なかったためか、皆体調も翌良く、冬の記録でも特に悪場はないということから、そのまま池の塔尾根を下ることに。ヤブは意外と歩きやすく、時折外しつつも何とか手別山へ。その先から右の斜面を下り、最後はルンゼを下降。明るければ何もない所も念のため5Pの懸垂で佐梨川本流へ。
山川さん、田邉さん本当にお疲れ様でした。
また、下山がかなり遅れ、連絡先その他の皆様には本当にご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。