【日時】2007年12月23〜24日
【ルート】戸隠/西窟尾根〜八方睨
【メンバー】小暮、笹川、矢野、大田原
年末年始山行の偵察も兼ねて戸隠に行ってきました。ルートはロックアンドブッシュの記録を参考にして、八方睨登山道の1本左の西窟尾根にしました。ロックアンドブッシュの記録によれば、戸隠の入門編というべきルートだとか。西窟尾根は、戸隠神社奥社の参道を真っ直ぐ進み、随神門から左にささやきの小径に入り天命稲荷の裏から取付きます。
トレースは当然無いのでワカンをはいてラッセルです。
天気予報では雪のような予感がしていましたが、思いのほか天候がよく日差しがぽかぽかと春山のようです。展望が素晴らしく戸隠東面の険しい様子がよく見てとれます。写真は九頭龍山にかけての断崖です。
西窟尾根は少し藪っぽいです。
もうすぐ第一岩峰です。なかなかのロケーションでしょう。
アイゼンに履き替えて岩場を通過します。このあたりはお助けを少し使うだけで問題ありません。
そして第二岩峰。えーっ、聞いてないよ〜。そんな難しいような事書いてなかったのに。。。。。
すごく立った岩場で右も左も容易に巻くことが出来ません。写真ではうまくわかりませんが、かなり悩んでしまいました。
正面の岩はピンが無いため却下。右側のトラバースはRCCボルトが見えますが、そこまでの足場が立っていて雪が載っていて難しそう。更に5m位支点が無くちょっとやばい感じです。
仕方なく右側をトラバースすることにして、5mほど斜め懸垂して、いやらしい雪のバンド状をトラバースして岩峰をロープを出して巻きます。矢野君がリードしたのですが、よく頑張りました。
予想外に難しかった。ここで2時間掛かってしまった。
その先の5m程の岩場をロープを出して登り、振り返るとこの景色。なかなかです。
あとは西窟に向けて登りますが、次第に日が暮れてきてしまった。写真のピークが八方睨で、左端の岩場が西窟です。
↑西窟尾根よりダイレクト尾根。
日没間近でしたが、最後に猛烈ラッセルをしてなんとか予定の西窟まで日没前に到着しました。ここで幕営。
翌朝は雪。冬型で風があり雪が降り続いていますが、引き返す時間を11時と決めて出発。
うっすらとトレースの跡のようなものがあり、探りながらラッセルしていきます。
雪壁状を登っていきます。鎖場が出てきますが、特にロープを出すことなく微妙なバランスで抜けていきます。
天狗の露路、胸突き岩と越えていきます。
いよいよ核心部の蟻の戸渡りです。このあたりはトレースがありません。前日に入ったと思われる登山者もここまでは来ていないようです。50m以上あると思われるので、ロープを出して途中で繋いで登ります。非常に幅が狭いリッジで、雪庇で下が空中になっている部分もありかなり緊張しました。
全員が通過するのに1時間30分です。途中でロープを固定して帰りのためにフィックスしておきます。
その先は一箇所の岩場。この鎖場を登ると八方睨にでました。10時30分です。
展望も無いのですぐに下山します。
もう一度、蟻の戸渡りを越えます。下りも結構怖い。
クライムダウンと、懸垂5−6回でようやくテント場に着きました。雪が降り続いていて、スリングが凍りついたりして結構時間が掛かってしまいました。
テント場からは登山道を下山します。百間長屋まではトラバースするのですが、急な雪面のトラバースで雪崩が怖い。かなり吹き溜まりになっていて雪が深い。トラバースしてから雪壁を20m程度下降すると百間長屋です。
↑百間長屋。結構面白いところです。
更に吹き溜まりをトラバースしていくと五十間長屋。ここから右の尾根が登山道になっているのでトレース跡に従い下山していきます。休み無しで飛ばしたので、テント場から1時間で戸隠神社奥社に着きました。ここまでは参拝の方が頻繁に訪れています。
アイゼンを外してよく踏まれた道を下山。
参道は立派な樹齢400年の杉が並んでいます。最後は観光的に楽しんで歩くことができました。
思ったよりも西窟尾根は手ごたえがあり、ルートとしても秀逸でした。年末年始前の充実した雪稜を楽しむことができ、会心の山行でした。