五竜岳東面 G稜 G中央稜 G0稜

【日程】2008年5月3日〜6日

【ルート】 五竜岳東面 G?稜 G?中央稜 G0稜

【メンバー】小暮、笹川

 

白馬五竜スキー場から遠見尾根を辿って、西遠見岳手前にベースを張って、五竜岳の東面を3本登ってきました。

五竜岳東面はG?が一番雪が少なくほとんど薮状態。G0も少ないが主稜線を避けて雪を拾えばつながっている。G?〜G?にかけてはそれなりに雪がついていて、G?はなんとか雪稜を楽しめそうだ。

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【BCより、鹿島槍北面・G?、】

初日は、白馬五竜スキー場よりテレキャビンとリフト1本を乗り継ぎ、遠見尾根を3時間30分たどってBCへ。初日はゆっくりと東面を眺めてのんびり過ごす。

 

 

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G?稜

2日目は、当初の予定だとG?に行く予定だったが、3日目の天候があまり良くないようなので、G?に行くことにした。このルートは参考にした資料だとかなり時間がかかっているので、万が一のビヴァークも想定して簡易な食糧は用意した。BCには他のクライマーも多く幕営しており、順番待ちにならないように早起きして4時には出発。

シラタケ沢を下降してG?の取付きを目指してC沢を登る。早起きしたおかげでトップだった。振り返れば後続のパーティがシラタケ沢を下降しているところだった。見ればG?、G0、G?、G?とそれぞれの取付きをめがけているようだ。

 

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G?の取付きは下部の薮っぽいところはパスしてC沢を登り、ルンゼの雪がつながっているところを目指して雪壁を登る。ルンゼの部分は抜け口は草付となっている。ザイル1ピッチ。

 

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その先の雪稜は4〜5ピッチ分コンテで登っていく。岩場から潅木帯にでてぐずぐずの雪壁のところにでたところで、雪ののっこしで足元が崩れてスリップしてしまった。幸いランニングでストップしたが油断は禁物だ。ズタズタのクレバスや岩が出てくるので、スタカットに切り替える。露出した岩の手前の雪はすでに溶けて大きなクレバスが開いており、1m程度の隙間を跨いで岩に乗り移るような場面が何度も出てくる。雪が多いときよりもかえって嫌らしい。クレバスはいたるところにできており、クレバスとクレバスの間を縫って登るような箇所が多かった。

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ジャンクションピークは、雪壁を登りきったところ。正面の岩は立っていてその上にキノコ雪がのっかっている。右側に巻こうにもズタズタの雪面となっており懸垂をしなければ降りられない。覚悟を決めて岩を登ることにする。

 

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最初の一歩が遠いので、ハーケンを打ってA0。それでも残置ハーケンまで手が届かず、もう1本ハーケンを打つ。A0しまくり。仕方ないです。。ようやく岩を登りきると、キノコ雪がオーバーハングのようにのしかかっている。岩の上がバンド状になっており左にトラバースすれば良いのだが、張り出した雪にうしろに落とされそうで非常に恐ろしい。スノーバーを打ち込んで、つないだスリングを掴む。雪面を削り取ってハングを垂直になるようにしてようやく突破した。なかなか苦労した。登っていると後続パーティのトップが上がってきた。

ジャンクションピークの先は、上部岩壁。下の方は雪がつながっているが、途中から切れており、左側の草付を登ることにした。草付は潅木が乏しく、枯れて濡れた草を掴んで登ったが、まるで越後の沢登りの高巻きだ。50m一杯で、ようやくブッシュ帯に抜けてビレイ。沢屋だからなれているけど、岩屋さんはかなり怖いと思う。

さらに雪壁を20mほど登ると稜線に出た。思っていたよりもジャンクションピークから先は短かった13時25分。順調に登れてよかった。BCにも早く帰れそうだ。。充実したクライミングに握手。

そこからG?、五竜岳、五竜山荘と縦走してBCに戻る。山頂はピークハントの登山者でいっぱいだった。

 

G?中央稜

天気予報では、昼過ぎから崩れるようなので早起きして午前中に登ってしまうことにした。今日も4時出発。まだ他のパーティはテントの中に居る。シラタケ沢を昨日よりも上部で横断してA沢を詰めていく。

ガイドによれば、最初に左に上がるルンゼを詰めるとあるので、トポのAリッジとBリッジの中間を登るのだろう。遠めにも雪が無くて薮になっているのでどこを登るか悩む。恐らく、薮に出るまでがクライミングらしいところだろう。今回はあえてBリッジとCリッジの中間のルンゼを上がってみることにした。

取付きから、雪が切れている滝。7m程度だが、ハング気味。潅木がつかめるので、潅木を掴んでハングを超えて1ピッチ。

その先は雪壁と草付をコンテで100m程度登る。

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いよいよ潅木が少なくなって悪いので、スタカットに切り替えてバイルを草付に打ち込んだりして登っていく。ヤレヤレ。我々が登っていると、後続パーティがトレースにつられてついてきてしまっている。正規ルートでないのは分ったのかな?笹川が登っているときに上から落石がきて、ひやりとする。後続パーティにも当たらなくて良かった。

 

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ここを抜けるとあとはハイマツのブッシュとなる。しばらく薮漕ぎ。

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つづいてえんえんとガレ。

GWに登るにはちょっと遅いルートだろう。最後は昨日のトレースのある雪壁を登ってG?に出た。こんなに薮なら、G?中央稜にこだわらずにいっそのことただの雪壁登りになってしまってもA沢の支沢の雪を拾って登ったほうが楽しいかもしれない。

あまりお勧めしないルートです。

9時30分にはG?に抜けたので、のんびり下っても10時45分にはBCについた。

やはり午後から天気が崩れて雨となった。夜中には寝ていると物凄い風雨となり、テントが飛ばされそうになる。それまで風がほとんどこない場所だと思っていただけに思わぬ強風に参ってしまう。フライは外れて飛ばされそうだし、ポールは風で折れ曲がってしまった。仕方なく、外に出てテントを直し、夜中にせっせとブロックを切り出して風避けを作った。とても大変でした。

 

 

G0稜

今日はすこしゆっくり起きる。いつの間にか嵐の前に帰ったらしく、BCにたくさんあったほかのパーティのテントは一つも無い。みんな昨日下山したのね。

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↑夜中に積んだブロックに守られたテント

本日は午前中にG0を登ってBCに戻り、下山する予定。6時15分に出発。

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朝日が素晴らしい。今日は他のクライマーはひとりも居ない。皆帰ってしまったようだ。昨日までの賑わいを考えるとまるで別のルートのようである。昨日はG0は大人気だったが、今日は我々の貸切。

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しばらくノーザイルで登るが、昨日の雨で雪面がカチカチになっていて傾斜が強まってきたのでアンザイレンする。

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2ピッチ登ってから、ブッシュをからめてトラバース。

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あとは雪の斜面をコンテで500m程度登る。

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雪を繋いで登り、難しくないので快適でした。10時にG0のピーク。G?よりも雪を登れたのでG0のほうが面白かった。

BCに戻ってテントをたたんで下山。帰りは早く2時間でスキー場に戻ることが出来た。BC方式で楽しんだ4日間。眺めも素晴らしく、メリハリもあり良い山行でした。