戸隠P1尾根

【山行日】 2007年2月10日(土)〜12日(月)

【メンバー】 L小暮(記)、大野、笹川

戸隠スキー場付近から見るとまるでヨーロッパアルプスを思わせるような岩と雪の迫力を見せる戸隠の雪稜に行ってきました。ルートは、夏道(かなり険しい)のあるP1尾根。中日の天気が冬型で雪ということだったので、どうしようかと思うがとりあえず入山する。

初日は晴れ。 西岳登山口に車を置いて、ミニスキーをはいてかろうじて雪のつながった林道を歩く。異常ともいえる暖冬のおかげで周囲の景色は4月のような状態で、夏道も見えている。

渡渉点では雪の少なさのせいもありスキーをしばらく担いでしまった。これでは楽なのか大変なのか分からない。。。。

沢型から急斜面の樹林帯を抜けると天狗平。またスキーが使える。潜るので、スキーは早い。天狗平は伐採跡なのか一面の雪原。。。

その先、ようやく急な斜面となってきた。スキーをデポ。ワカンに切り替えてラッセル。しばらくすると尾根が細くなり、細かいアップダウンが出てきた。今度はワカンからアイゼンに。

最初の岩場は、鎖が出ているのでつかんで登る。荷物が重くて大変。続いて現れる岩場は左側を巻くように道が続いており、容易に越えた。

しばらく進むと雪壁。結構急だ。ノーザイルで進む。ところどころ岩が出てくるので、左右に逃げながら登る。熊の遊び場という場所をテンバの目標にしていたのだが、このときはかなり平坦なところと思っていたので、登り続けた。後で考えるとこの雪壁のあたりが熊の遊び場だったと思う。

雪壁を進むととうとう残置スリングが掛かっている急な草付に出た。取り付きのところは、足場がえぐれており、ちょっと難しい。荷物を持っていけないので、小暮リードで空荷でロープをつけて登る。15mほどのピッチだった。全員空荷で登る。荷揚げを試みるがうまくいかない。結構苦労してしまった。

その上は、ちょっと急な雪壁。けりこむと岩が出てくる。雪が少なくてかえって難しい??大野さんリード。潅木でロープを固定してアッセンダーでフォローする。

 

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↑その先はルンゼ上になっている。

なかなかよい幕営地が無く、しばらく急な雪を登る。無念の峰を越えたところで、左側に二重山稜のような窪地があり、よい幕場となった。左右に雪壁があり、風をよけられてたすかった。

 

2日目は雪。冬型だがそれほど冷え込みは厳しくない様子。吹雪だったら停滞しようと思っていたが、雪が上から降り積もってくるものの、穏やかな小雪といった天気。とりあえず出発して厳しいような引き返しましょうということに。。

 

すぐに細い尾根となり、5m程のギャップがある。大野さんが潅木を掘り出したので、懸垂する。

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続いて蟻の塔渡り。 小暮リードでロープを出す。幸いきのこ雪も大きく発達しておらず、入山前日の雨で固まった雪の上に昨夜の新雪が降った状態。新雪を払って蹴りこめばOK。

スノーリッジを抜けて、続く雪のついた鎖場を登る。抜け口がキノコ雪でちょっと大変。アイスクライミングの要領で抜けてロープを固定した。

 

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その先も草付状の雪壁。いちおう大野さんがロープを引く。

 

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あとは雪稜を抜けるとP1ピークに達する。割と早く着いた。山頂はあいにくとガスがかっている。視界が広がるときもあるが、隣のピークが見える程度で遠望は利かないので、早々に下山する。

下山は、急なところは懸垂下降だ。

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テン場に戻ってまだ12時45分なので、スキーをデポした場所まで下ることにする。熊の遊び場のところの雪壁は、3ピッチの懸垂。やれやれ。

 

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3日目は晴れ。スキーで下山する。平坦なところはミニスキーなので板が滑らない。歩くよりは早いけど疲れる滑りだった。

沢の渡渉する付近では再びスキーを担ぐことに。結構大変です。最後は林道をえっちらおっちらと、スキーを漕いで下山しました。10時30分ごろ下山です。

今回、中日の冬型の天気が思ったより崩れなかったので予想外にも順調にピークを往復できました。例年の2月の冬型なら嵌っていたかもしれない状況です。これも今年の暖冬のせいですね。

心配していたキノコ雪もたいしたことなく、雪崩れと足元から崩れる雪の恐怖におびえることなく雪稜を楽しむことができました。雪のかぶった草付クライミングもなかなか楽しかった?かな。

 

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最後に麓から見たP1尾根。雪の中登ったので、どれ?って感じですが。。。中央左のピークがP1で、そこから正面に伸びるリッジがP1尾根かなぁ?

改めて見ると、本当にアルプス的で戸隠はカッコいい。日帰りで登れる雪稜ルートもあるようなので、また行きたいと思います。