越後/水無川オツルミズ沢

【日時】2014年10月11日〜12日

【メンバー】KG、SS、TR

沢屋憧れのビックルート、オツルミズ沢に行ってきました。台風が来ているので行くか迷いましたが、台風の進みが遅いので1泊2日で抜ける形で無事に登ってくることができました。

仲間からは台風の進行状況を心配するメールもあったので、早出して5時30分には出発。20分ほど林道を歩くと出合に着く。

オツルミズ沢出合の滑りやすい滝は、1泊2日ということで割愛して、出合の10mほど先にある地元のおじさんが整備したという立派な巻き道を使って巻いてしまう。 巻き道にあがったところの岩にはこんな立派な案内が書いてある。一箇所、登りからトラバースに変わるところがわかりにくいが、鎖などもついている。

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巻き道をそのまま辿るとカグラ滝の中段に出る。そのままフリーで登っていくと、次第に傾斜が強くなってくるので、ロープを使おうかなとビレイする場所を探すと、立派なリング付のペツルのアンカーボルトがあるので、ここからロープを使う。

50m一杯で落ち口へと抜ける。ランニングを取るところにもいくつかペツルのアンカーがあり安心して登れる。地元の山岳会ではこの滝だけ登ったりしてるのかな〜?と思う。

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その上は小滝が幾つか続くが特に問題ない。

左側に雪渓が残ったところを過ぎるとトイ状のゴルジュの中に5m〜10mの滝が続く連瀑帯となる。直瀑のようなゴルジュの中央突破はやばそうなので、雪渓脇のフェースを登って巻くことにする。

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ゴルジュの中間に降りる古い懸垂支点の跡もあったが、こんなのを使ったらハマりそうだ。そのままスパイクを履いて草付帯から 藪漕ぎへ。藪漕ぎがなんと拍子抜けするくらいに簡単で、踏み跡がバッチリついている。オツルミズって、有名沢だからだな〜と再認識。

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踏み跡をたどって最後は草付から落ち口へと真っ直ぐトラバース。大きく巻くと結構時間がかかることもあるようだが、あっさりと滝上に出てしまった。

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その先は釜を持った滝とか、小難しい滝が幾つかあるが楽しんでいける程度。

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お助けなどを駆使して登っていく。

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スラブ状の滝が連続する美しいところに出た。一番奥の遠いところにサナギ滝が見えている。

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35mのスダレ状の美しい滝。ニセサナギ滝かな?このあたりのスラブは各々フリーでぐいぐい登っていく。

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大迫力のサナギ滝200mの基部に出ました。最初の滝を省略しただけあって、まだ9時25分。すんなりここまでこれてよかった。

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サナギ滝は右岸の草付帯から巻いて、滝の左側のオーバーハングの上のバンドへと登っていく。ここも、高巻き道はしっかりしているので、簡単である。岩っぽいので、スパイクは使わない。

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オーバーハングの上に出た所はなるべく低いところをトラバースしていく。ゴム底の渓流シューズが乾いた岩によく効く。

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うまいことバンドが最上段の滝の基部に続いていた。最上段の滝は、水流左側の凹角を見ると残置ピンが見えたのでここから登れそうだ。ここからロープを使って登る。

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ロープスケールで約20mの登攀。沢登りというより、岩登りっぽい感じ。?+くらいかな?適当な間隔で残置のハーケンでランニングが取れた。

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サナギ滝上から。登ってくるのはTRさん。

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核心部のひとつのサナギ滝を1時間程で抜けたので、良かった。

サナギ滝を抜けると再びゴルジュへ。とても狭いゴルジュなので、泳ぎが入るがとっても水が冷たい!!

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狭いゴルジュの部分は左側をトラバース。ちょー怖い。

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釜が深いので、泳ぎたくないけど。。。泳がざるを得ない。

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3mCS滝を越えたところに狭いスペースがあり、幕営適地か?これが大滝下のテンバだろうか。ただ、この先にもゴルジュが続く。もうひと泳ぎ。

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ようやくゴルジュを過ぎると80m大滝前の雪渓。思ったよりも小さい。ようやく岩の隙間から太陽が覗きはじめて、冷えた体にはありがたい。寒くて体の震えが止まりません!左側から岩を使ってそのまま80m大滝の基部へ。

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80m 大滝は左側のぐずぐずの岩を登っていく。今回はTRさんリード。トラバースなので恐怖グレードが高く、しばし、いったり来たりして1段目の滝上へと出た。

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80m滝一段目の上。左側にはスラブの沢が入っている。紅葉が美しい。

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ここから傾斜の緩そうな右側へ移る。

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傾斜は緩いのだが、ヌメっているので、フリーで行けない。ここからロープを使い、50mいっぱいの2ピッチで滝の落ち口の下へ。最後の10mほどは乾いていたので、フリーで抜けた。

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大滝上には沢床からほぼ0メートル地帯のツェルト1張分の狭い河原があり、ここで幕営。ちょうど15時頃だった。ここは地形図の雪渓マークのところなので、今回のように雪渓があまり多くない状況であれば快適な幕場になりそう。 カグラ滝、サナギ滝、80m大滝の3つの大滝の登攀も終わり、明日中には下山できそうな目途もたって一安心。

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80m大滝を登っている時にも見えていた後続パーティがやってきた。昨日の前夜泊の駐車場でも同じオツルミズ沢を登ると挨拶を受けていたが、山登魂の4人組だったとのこと。この先の幕営適地は1時間位先になってしまうし、泊まり場所が限られる沢なので、一緒に今夜は焚火を囲んで合コンすることになった。

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山登魂の皆さんとの合同宴会は盛り上がり、TRさんは飲み過ぎて、翌朝は具合悪くて朝食食べられず。。。我らは足が遅いので、山登魂パーティより1時間位早めに出発。

出発してすぐに小難しい滝が続く。

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美しい滝がいくつか続く。 ここは左側の岩を登った。

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滝をいくつか越えると、やっぱり出てきた雪渓地帯。下を覗くが、先がよくわからないので、上に乗る。いったん雪渓が切れているところで、雪渓をいったん降りて今度は左側から雪渓上に再び乗る。

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問題なく雪渓から降りられて一安心。

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雪渓先の20m滝は少々嫌らしい。ロープを出して右から登る。

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その先も滝が続く。登れない滝は、草付を使って小さく巻く。ここはバイルを打ったりしながら越えた。

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いいかげん、次から次へと滝が続いて疲れた。沢がクランク状に曲がるあたりまで来ると、開けて源頭の雰囲気。まだ滝が続くので終わりではない。

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ようやく癒し系の河原になった。

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最後は草原を眺めつつ。結構、源頭になってからが長かった。

そのまま沢を詰めていくと駒の小屋の水場へと出る。ハイカーが水を汲みにやってきている。

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登山道からは沢山のハイカーでにぎやかだ。12時に山頂だったので、人が一杯でちょうど食事の時間か?

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下山は、極楽尾根へ。こちらは登る人がほとんど居ないのか、すっかり静かな感じ。

下山は、1600mを一気に下る急な登山道で、すっかり疲れてしまった。

登山口で休んでいると、山登魂の面々が降りてきて、再会しました。1時間近く早く出たはずですが。。早いです。

素晴らしい山行でした。