大谷不動 アイスクライミング

【日程】2008年3月1日〜3日

【ルート】大谷不動  本流F2.F3 、本流右側壁の氷瀑、 不動前の滝

【メンバー】小暮、笹川

 

念願の大谷不動に行ってきました。

初めて行くだけにアプローチが心配で入念に下調べしてミニスキーを利用していくことにしました。

初めてなので本流を中心に二泊三日の予定です。月曜日は休みを取りました。

■1日目 アプローチのみ

峰の原高原スキー場のリフト(イエローライン)を1本登り、林道コースをまずは滑っていきます。ブルーラインから降りてくる初級コースとの合流点が大谷不動に向かう林道が合わさっています。目的の林道は通行止めの看板があります。先行者のスノーシューのトレースがありました。

スキーなので、基本的には林道を忠実に辿りますが、つづら折りとなっているところは沢筋をショートカットして降りていきます。最終的に大谷不動に向かう分岐の林道に出ます。ここまでは下りです。

堰堤の沢を過ぎると登りになるのでシールで登っていきます。まだかなと思う頃にようやく大谷不動に到着です。出発が準備にもたついて10時で、そこから約3時間かかったので既に13時近い時間です。

 

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先行の方は作業基地の土間にテントを張って休んでいたので、我々は軒下にテントを張りました。大谷不動の奥社はトイレも使えるし、なかなか快適なところです。

初日は不動前の氷瀑を登るつもりでしたが、アプローチが良く分らなかったので、より近い不動裏の滝に向かいます。 先行の方のトレースがF1の下で終わっていました。滝下は雪がすごい量でスキーでも潜りまくりで大変です。氷に取付きたかったが、雪の量がすごいのとスキーを外したら足元がボコッと落ちて大穴が空いてしまいました。F1はほとんど雪に埋まっていて、その上もかなりの雪の量が見えて肝心のF2に行くまで大変そうなので、今回はやめて戻りました。

周囲の偵察を兼ねて散策して、本日は終了。翌日に備えます。

 

■2日目  本流F2、F3、本流右壁の氷瀑

大谷不動から先の斜面をトラバースして本流に降り立ちます。スキー(スノーシュー)がないと結構なラッセルで大変でしょう。

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【本流F1】

F1は釜が出ているので左から巻きます。左は雪の吹溜りとなっているのですが、傾斜がきついので途中でスキーを脱いだら胸ラッセルになってしまいました。この上には、右岸の右ルートの氷瀑がすごい迫力で掛かっています。急な斜面をラッセルしてF1を越えると、出ましたF2。

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【本流F2】

素晴らしいブルーアイスです。

一番易しそうなところを選んで登ります。我々が準備していると、小屋の泊まっていた二人組みがやってきました。先に登らせてもらいますが、せかされている訳ではないのですがあせってしまいます。

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【本流F2】

ぎりぎり50m1ピッチで登りましたが、ここは通常は2ピッチで登るようです。中段の左の潅木でピッチを切るようです。氷は割りと素直で登りやすかったです。?級位でしょうか。

 

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【本流F3】

F3は20m程度、氷そのものは易しいのですが、雪が載っていて嫌らしいです。落ち口に水流が出ている穴があり、リードした笹川さんは落ち口の処理が怖かったようです。

懸垂で降りると、まだ12時30分です。 時間があるので、右壁の氷瀑にチャレンジすることにします。

小屋に泊まっていた2人組は1泊2日なので、ここで下山するようです。単独で本流F2を登りに来ている方もいました。この方はおそらく日帰りかと思われます。何度も来ているのでしょうか。

 

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【本流 右壁の氷瀑】

右壁の氷瀑は、土の染み出しがあるのか黄色がかってちょっと汚らしい感じですが、ツララのカーテンのようですごい迫力です。我々は一番易しそうな右側から登り、中段の傾斜の緩いところを抜け、立ったところの凹角を登りました。

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【本流 右壁の氷瀑】

最初の5mを登った先の10mの垂直部で疲れてフィフィを使ってしまいました。

垂直部を抜けたところで傾斜は70度程度になるのでピッチを切ろうと思ったのですが、しっかりした氷が無くモコモコ状でビレイ点としては嫌だったのでそのまま傾斜の強い凹角に上っていきました。

凹角は左右にステミングが使えるのですが、次第に傾斜が強くなり垂直になるので、またもやフィフィのお世話になってしまいました。垂直部を抜けて一息。あとは85度位の段々の氷となり、落ち口の氷で支点を取りました。

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充実した一日でした。

 

■三日目

小屋に泊まっていた方が初日に向かったトレースがあり、アプローチが分りました。不動尊の手前の標識にロットの滝とあるのが、不動前の滝です。遊歩道があるので、それにしたがって辿っていくと20分で取付きに着きました。

 

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【不動前の滝】

これまたブルーアイスの迫力のある眺めです。

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左側は、傾斜が緩く70〜75度で、30mほど登っていくと左壁に残置ハーケンの支点があるのでピッチを切ります。残置ハーケンはあまり信用が置けないのと、足場が悪いのでハーケンの少し上の氷に2本スクリューをとって中間支点としました。

2ピッチ目が核心。85度位の氷を5m登ると核心部の90度の部分が約10mあります。左の氷柱の手前で支点を取って登りますが、右側の氷柱にバイルを強く打ったら氷柱が崩れたので、びっくりしてそれからは慎重に氷を割らないようにバイルを打ちます。核心部は、かなり立っていてアクロバチックに5−6mランナウトして登ってしまいました。スクリュー打つ余裕はありませんでした。核心を抜けてほっと一息。ここに来る前に角木場の氷柱で氷柱登りの練習していて良かった。

あとは傾斜の緩んできた氷を登って終了です。

 

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初めての大谷不動でしたが、充実したアイスクライミングが出来ました。

 

下山は、スキーで戻りますが、結構大変でした。先行のトレースにしたがってMTB道と思われる急な雪壁を登ったのですがスキーには辛い登りで大変でした。スノーシューなら大丈夫でしょう。このトレースは林道に入ってすぐの、地図上で大谷不動に分岐する林道に真っ直ぐ降りられる位置にありました。

次回スキーで来ることがあれば、降りることはあってもこの道は登らないと思います。