【2008年8月10〜14日】
【メンバー】L棚橋 佐貫 小川 大野
4泊5日の下田川内(順番から言えば川内下田となる)の遡下降から無事に帰宅しました。ルートは、室谷から一ノ俣越で早出川に入り、割岩沢ム沢を遡行して矢筈岳に登頂。稜線を藪漕ぎで少し移動し、光来出沢東又沢を下降したのち、光来出沢を遡行して粟ヶ岳へというものです。
先月、今早出沢に行った時に一ノ俣越のルートは確認済みだったのですんなりと山越え。
早出川に降り立ったとたんに大量のメジロに取り囲まれるのではないかと予想していたにもかかわらず、拍子抜けする程度の数。
それでも今出に着く頃には次第に数が増えてきて一人3,40匹程度。
小割岩沢を過ぎ、白っぽい河原をちょっとした泳ぎも交えながら
進んでいくうちに夕沢出合に到着。
出合は高台に幕場があり、ここに泊まることにして早めに行動終了。夕暮れ時、メジロの猛攻を受ける。
2日目は、相変わらず淡々と河原歩きを続けていくと両岸に広大なスラブの景色が広がってきて「これだよ、これ」という雰囲気に。
そして唐突に現れるジッピ。水量が少なく、楽々泳いで突破。
ここからは白く狭いゴルジュとなり、綺麗で楽しい。
北俣沢出合で釣りタイムの後、曲沢では手づかみしたイワナをカルパッチョと刺身で「いただきまーす」。
西俣沢を分けてからの8mほどの下部が難しい滝は小川登攀隊長がサクッとリード。登攀中にも顔にメジロがたかりまくり。
この日は、ム沢のゴルジュ地帯が始まる直前に良い幕場を見つけて泊まる。
3日目、いよいよ矢筈を目指してゴルジュを行く。今日も若き登攀隊長が大活躍、次々とザイルをのばす。
いよいよツメというあたりで、数本あるルンゼのうち山頂に最も近いと思われるものは出合からヌメヌメっとした黒っぽい滝となっており、とても登れる気がしない。
それでは、ということで別のルンゼを進むも・・・棚橋Lがフリーで登った1ピッチはシーズン中そう何度もないような極悪さ、落ちたら大怪我必至の冷や汗モノ。
何やかやで時間がかかったが、念願の矢筈のピークに立ち感無量。
こからは、二時間の稜線藪漕ぎを経て東又沢へ。
懸垂を交え下る途中、稜線からの大規模な山抜けが原因と思われる大ガレで沢が埋まっていて驚いた。
4日目は東又沢のゴルジュ帯下降でスタート、
水温が低くて体が冷える。懸垂2回と数多くの飛び込みでどんどん下降する。
滝は小さいものが多いのだが、登るには骨が折れそうな沢だ。最後は両手がつくほどの幅のゴルジュとなり、圧巻。
上半分のガレの印象を吹き飛ばす、見事な渓相に一同感動する。光来出沢本流との出合付近では本行程中最も多くのメジロ軍団が登場し、たまらずネットをかぶる。
光来出沢は多くの釜を持ち、とにかく綺麗。
シシマキ沢出合で釣りタイムの後、「幅2mのゴルジュ」が登場。
小川・棚橋はここも巻かず、完全遡行でした。その先で最後の幕営可能地点と思われる場所を見つけ、泊。
最終日、ここまでずっと晴れだったがついに雨が降り出しそうな空に。丹念に地形図と相談の上、左だ右だと進んでいくうちに雨となり、雷も聞こえてきて気が気ではない。しかしルートファイディングが上手く行き、最後は藪漕ぎ7,8分で雨量計小屋にピタリと出られた。パチパチ。ここからは踏み跡をたどり、粟ヶ岳山頂、粟薬師を経て五百川へ。
最後に3名がヒル害に遭遇。「いい湯らてい」で温泉と打ち上げ、山行の成功を祝った。
お盆の夢だった、下田川内の盟主・矢筈岳と最高峰・粟ヶ岳を結ぶ遡下降が出来ました。勿論天候にも恵まれましたが、なによりも強力な(私以外の)メンバーの活躍によるところが大きかったです。
また、木下さんからの光来出沢の幕場についてのアドバイスも助かりました。下山連絡先の鈴木さん、途中で一切連絡入れられず申し訳ありませんでした。有難うございました。
なお、虫は二年前よりもだいぶ少なく、行動中にネットをかぶったのも1回だけ。
ご注文の昆虫写真は、あまり迫力ないかもしれません。
そして「虫はO型の人間にたかる
」というのも実証されました・・・。
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拍子抜けする程度らしい、アブの写真を追加します。
拍子抜けじゃなくて腰抜かすと思うんですけど・・・。小川。