【期 間】2013年8月10日〜13日
【メンバー】佐貫 田村 矢野 L木下（記）
【ルート】小穂口沢南沢左俣〜小沢岳南尾根〜小沢五番手沢下降〜奈良沢川〜柄沢北東尾根乗越〜コツナギ沢〜シバ沢〜刃物ヶ崎山〜ジロウジ沢下降〜矢木沢橋
沢と沢を繋ぐ奥利根湖右岸半周の沢旅、全長26kmのロングランを完走できて充実した山行になりました。久しぶりに天候に恵まれたお盆休み、奥利根の渓と大自然を満喫した4日間であった。
8/10 曇一時小雨
渡船にて入山。割沢付近より流木が詰まり侵入困難！流木をかき分け、手漕ぎでボートを進めてくれ小穂口沢出合へ、「高柳さん、ありがとう！」
＜入渓・小穂口沢の河原を行く＞
＜小穂口沢本流＞
小穂口沢本流は河原と所々渕が現れるが容易、しかし水がしびれるほどに冷たく多量の残雪の予感。二俣手前より「黒いゴルジュ」となる、本沢の魚止の滝を見送り南沢のゴルジュへ。
＜小穂口沢二俣・奥に魚止の滝＞
＜南沢のゴルジュ＞
＜南沢・ゴルジュ出口付近＞
渕と滝が続くがフリクションが利き快適に通過、ブリッジを一つくぐると荒れた河原になり左岸に幕営適地、今日はここまで。
8/11 曇のち晴
朝靄の中、出発。すぐに大釜の7ｍ滝、右からロープを出して直登。
＜7ｍ滝・右から直登＞
ブリッジが現れ乗ったり潜ったり・・・と雪渓の上に熊だ！こちらに歩いてくる。ブリッジの下にもかかわらずホイッスルを鳴らしてしまった。
＜ブリッジをくぐる＞
やがて渓は残雪に覆い尽くされ大雪渓になった、500ｍ以上はあろうか。
＜大雪渓＞
雪渓の末端は大滝、右沢大滝・3段110ｍは中段から半分は雪渓の下、目指す左俣大滝60ｍはすべて雪渓の覆われていた。
＜右俣の大滝＞
右岸より左俣大滝落口に降り、ナメ滝を越すと2段30m滝。右手から巻き気味に登る。深いルンゼ状支流が右岸から入り、散乱したブロックを縫って滝を登る。
＜2段30ｍ滝＞
＜ブロックを縫って＞
左折する7ｍ滝を越すと穏やかな流れとなり、ニッコウキスゲ揺れる草原状を詰めて小沢岳南尾根に出た。
＜小沢岳南尾根へ・草原を詰める＞
遠望する小沢本流はほぼ雪渓に覆われている、今年の残雪は半端じゃない。予定通り南尾根をP1664まで進んでから、五番手沢に下る。
＜小沢岳南尾根＞
標高1400ｍ付近に湿原がありここが五番手沢の水源になっている。しばらくで白い花崗岩の滝が現れ、美しい滝となるが落差も出てきて、懸垂も交えてで下降していく。
＜五番手沢の下降＞
ゴルジュも深くなりブリッジが懸かる、おおよそ潜って通過、圧迫感のある下降であった。
＜五番手沢・ブリッジを潜る＞
標高1000ｍ付近より河原となりここで幕。10時間超の充実した1日でした。
8/12 晴
すぐに小沢本流出合となる。雪渓で覆われており、中に入ると上流には魚止の滝、瀑音が響いている。
＜小沢本流・魚止の滝＞
朝一番から200ｍほど雪渓を潜り、しばらく行くと三番手沢出合、ここも雪渓で覆われていた。
これから下流はブナ森の中のゆったりした流れとなり、奈良沢川本流へ。
＜開豁な奈良沢川本流＞
コツナギ沢へは柄沢山北東尾根の末端部の沢を使って乗越す。小さい沢であったが小滝とナメが美しくブナ森を満喫しつつコツナギ沢に出た。
＜乗越の沢・ブナ森が美しい＞
コツナギ沢は2年前の水害で荒れた広河原になってしまい残念だ。今日は半ドン、のんびりと登ってシバ沢の出合で幕。
＜コツナギ・リバーサイドホテル？＞
流木豊富な砂地の素晴らしい幕場、早くから焚火を熾して優雅な午後を過ごした。
8/13 晴
シバ沢は貧弱な出合だが、しばらくでナメ状滝が懸かり快適にな沢になる。スラブ状30m滝が現れ左手から直登、上部はロープを出す。
＜30mスラブ滝＞
滝上も滝が続き楽しい渓相だ。再び大滝・40ｍが現れ、右手からロープを出して直登する。
＜快適な滝が続く＞
＜40ｍ大滝の登攀＞
沢は傾斜が緩み、二俣。刃物ヶ崎山へ直接出ようと左俣へ入る。慎重に読図してシャクナゲの藪を漕いで行くとほぼピークに出た。刃物ヶ崎山のピークは三角点とプレートがあり奥利根のよき展望台だ。
＜刃物ヶ崎山ピークにて＞
ジロウジ沢三ノ沢左俣から下降する、ガレ沢を順調に下ると突然、スラブ状の大滝が現れる。懸垂1.5ピッチ、50ｍ大滝であった。
＜ジロウジ沢50ｍ大滝＞
ここからはナメ状の滝や大釜などが現れる。ジロウジ沢は水の色も美しい沢で3時間半ほどで矢木沢本流に到着。
＜釜にドボン！ 楽しく下る＞
水量豊かな矢木沢本流を下るが大きな山抜けで荒れた沢になってしまっている、魚止の滝には大きな倒木詰まっていた。
＜矢木沢本流の下降＞
もうすぐフィナーレだ、河原を歩いて行くと堰堤が見え、林道に上がる。矢木沢橋を渡り車に到着した。
素晴らしい4日間でした、メンバーと固い握手、多謝！