日程:2017年5月3〜6日
メンバー:Y澤、M本
1日目(5月3日)
愛して止まない村杉半島にまたしてもやって来た。今回で3回目だ。
往復で数えれば5回目の林道で、上大鳥橋を目指して進む。
心配していた積雪は予想以上に残っていて、尾根に取り付けばすぐに雪面となり、順調に村杉岳直下の幕場に到着した。
暑い日差しの中、軽量化の為に量をケチった貴重なお酒をチビチビ頂く。
2日目(5月4日)
2時起床、4時出発。
丸い山頂の村杉岳を越えて北西に伸びる尾根に進路をとる。
雪は順調に続いている。楽チン楽チンと気持ち軽くグングン下ると、1000mを過ぎた辺りから藪が出てきた。
装備をザックにしまい、喘ぎながら尾根を下り続けると、谷間を埋め尽くす「ゴゥォーーーーーーーー」という野太い重低音が聞こえてきた。
全てを吐き出すように暴れ続ける白戸川を見たとき、絶望感に包まれて思考が停止した。
尾根の末端に降り立ち、荒れ狂う白戸川をいくら眺めても対岸には渡れそうにない。
敗退の二文字が頭をよぎったが、可能性があることを信じて上流に向かいながら弱点を探すことにする。
歩くたびに可能性が減っていく。それでもメゲずに歩き続けると、川が右に曲がった地点に唯一の狭い地点を発見。・・・でも渡渉なんてできないので、渡るとしたらズブ濡れ覚悟だ。
結局、激流に飛び込み、頭のてっぺんまで水に浸かり、必死に泳いで対岸の晒し場にたどり着いた。
もう一歩も歩きたくないので、渡った先の開けた台地で泊とする。
天気が良くてよかった。ずぶ濡れになった服を全て乾かすことができた。
3日目(5月5日)
昨日の遅れを取り戻すべく、1時起床、3時出発。
出だしから藪漕ぎになるが、うっすらと踏み跡?があり歩きやすい。
樹液がダラダラと滴る熊の爪痕や、最近付いたと思われる熊の足跡をみながら暗い尾根を登っていく。
休んでいても気が落ち着かない。
再び歩き出すと一度出てきた雪は消えてまた藪尾根になる。
M本さんが古い切りつけを見たそうで、昭和6年、26歳と28歳の大塚さん兄弟の文字が掘られていたとのこと。やはり人の踏み跡はあったようだ。まっすぐ下った尾根の先に昔は小屋があったそうなので、人の行き来があったのだろう。
高倉山に到着して一息入れる。
目指す会津朝日岳の手前の尾根は黒々していて、いくつものギャップが見える。
あれ、越えられるのか?
藪と雪がミックスした尾根を歩き続け、本日の核心に突入。
藪藪藪藪藪藪。
ずーーーーーーーっと藪。
(10回以上の登り下り+途中細い岩場)×藪藪藪藪藪藪=心が折れる
3時間かけて会津朝日岳に到着したとき、足の靴ズレを理由の一つにしてエスケープを選択。山頂直下の避難小屋で泊とした。
4日目(5月6日)
最終日は下界に下るだけ。
北面の斜面だけあって下まで雪が残っており楽チンだ。
只見駅から、貴重な只見線に揺られて帰路についたのでした。