【日程】 2008年3月21日〜23日
【ルート】 北アルプス 不帰Ⅲ峰B尾根
【メンバー】 L田邉 小暮 笹川
満を持してかねてより行きたかった不帰に行ってきました。
素晴らしい展望と手ごたえのある山行で充実しました。
初日は、八方尾根スキー場のゴンドラから、リフトを2本乗り継いでゲレンデトップよりミニスキーを使って登ります。たくさんのスキーヤーが尾根を登っていました。
【八方池付近より/左から不帰Ⅲ峰、Ⅱ峰、Ⅰ峰】
【不帰Ⅲ峰/左からC尾根、B尾根、A尾根】
唐松山荘まで約5時間程度かかりました。本日はここまで。小屋の脇にテントを張りましたが、かなりの強風が吹き荒れて夜は大変でした。
【中央がB尾根】
早起きして5時45分に出発。唐松沢本谷を下降して、B尾根の右側のbルンゼから取り付きます。
尾根の右側のbルンゼからあがりますが、左側のcルンゼの方が簡単でした。
【1ピッチ目】
ダケカンバの生えた急な斜面。雪が固まらない細かい氷がスカスカになった感じで、足元が崩れて見た目よりもずっと悪い。
【2ピッチ目】
露岩を越え、更に岩場のをワンポイント登る。チムニー状の雪壁を抜けたところで50m一杯。
【3ピッチ目】
雪のナイフリッジ25m。岩峰の基部でピッチを切る。この先の岩峰を右の急な雪壁を越えなくてはならないかと心配していたが、左側の岩のルンゼ状にルートを見出せそうだ。
素晴らしいロケーション。
【4ピッチ目】
岩峰と岩峰の間のルンゼ状を登る。潅木があるので掴んで登れるが、体が岩から離れてダイナミックな動きが必要である。ちょっとした岩登り。岩を抜けると雪壁となり、スノーピークの上でスタンディングアックスビレイ。両側が切れ落ちていて、なかなかのロケーションだ。
続くスノーリッジは、ノーザイルで雪壁の基部まで。
【5ピッチ目】
この岩峰は正面右から登るか、トラバースして雪の急なルンゼを登るかの2択。正面右は素直だが、岩っぽいので、トラバースして雪壁を登る。結局、雪壁もかなり傾斜が強く、足がスカスカ雪が崩れるので悪かった。50mザイルで雪壁の上まで届かず、斜度の少し緩むあたりの雪を崩してバケツを掘ってビレイする。
更にスノーリッジをノーザイルで次の岩峰の基部まで進む。
【6ピッチ目】
右側の潅木のあるルンゼ状を登る。取り付き付近が雪が崩れやすく、この乗越しがポイントだった。ザイル約30mでピッチを切る。
【7ピッチ目】
更に雪壁にザイルを伸ばす。ここは急な上に雪が固まらずに崩れるので、全身の微妙なバランスで雪を崩さないように足場を探りながら登っていく。
【8ピッチ目】
スノーリッジを少し進み、ワンポイントの氷化した雪壁があるので、念のためザイルを使う。いよいよ?峰の頂上が近づいてきた。
【9ピッチ目】
最後の岩峰。正面の岩を登るか、左に急な雪壁をトラバースして岩を避けてからあがるかの2択。左に逃げても急な堅雪の斜面のトラバースも悪そうなので思い切って正面の岩に取り付く。
ぐずぐずの雪からやや被り気味の岩に移る。岩の上のハイマツを掴んで一気に抜ける。ここは残置ハーケンもあった。岩を抜けると、夕方で気温が下がったためかかなり堅くなった雪の急斜面を上がって山頂の手前まで。
【9ピッチ目の雪の斜面】
ここからⅢ峰ピークまでは約15mほど。ザイルはいらない。
なかなか大変だった。17時35分。III峰ピーク着。
更に唐松岳山頂を越えて、唐松山荘に帰着。かなり時間がかかったが、手ごたえのあるクライミングだった。
3日目は、C尾根を登ってから下山という当初の計画は取りやめて、のんびり下山することにした。
B尾根だけでも十分に充実したし、C尾根はB尾根より時間は掛からないとは思うが、かなり遅くなるかもしれないので次回にとっておくことに。。
周囲のパノラマを楽しみながらスキーで下る。雪は堅かったり、グサグサだったりと非常に苦労した。これならスキーを持っていかない方が早く下山できたかもしれない。八方尾根スキー場にでてからも、圧雪されていないコブコブ斜面などに苦しめられ、意外に大変な下山だった。