広谷川御神楽沢〜奥壁本谷スラブ

【ルート】会越国境/広谷川御神楽沢〜奥壁本谷スラブ

【日程】 2008年10月3日〜4日

【メンバー】小暮、ささがわ

念願の御神楽沢に行ってきました。

この沢は、私がトマの風に入会した年に手嶋さんがリーダーで連れて行ってもらった広谷川ム沢の右俣ともいうべき沢で、百名谷の一つにも数えられる憧れの谷でした。ム沢はいやらしいザイルを出すような高巻きの困難さ、険しくて豪快な谷、雨で増水して体育座りでのビヴァーク体験といった強烈な体験で忘れられない山行だった。今回登った御神楽沢は同じ流域の険しさを持ち、最後の奥壁はスケールの大きいスラブ登りができるとあって、そのときからいつか登ろうと心に決めていた沢であった。

登山道から、湯沢出合より先の左岸踏み跡をしばらく辿って入谷。

最初に出てきた滝が苔っぽくて、今回選んだ足回りのアクアステルスソールの沢靴が滑りまくり。以前は何も気にせず登った2mの滝がなかなか登れず、タワシとバイルを駆使してようやく突破。先が思いやられる。ゴルジュを過ぎると河原状となる。

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正面にム沢の大滝が見え、水晶尾根を過ぎたところが御神楽沢出合いだ。

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最初の10mのトロは腰〜胸程度水に浸かって進む。朝の気温は低かったが、昼間はやっと暖かくなってきたとはいえ本当は浸かりたくなかった。

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トロを過ぎると御神楽滝30m。

踏み跡の残った右側のルンゼを登り、トラバースでは念のためザイルを出して巻く。滝上にはうまくルートをみつけて懸垂せずに降りることができた。

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その先は残置スリングでA1したり、全身のバランスをボルダー的に使うような滝が連続する。

シャワークライミングとなる滝が結構あり、下半身は半ズボンのウェットを履いてきて本当に良かった。

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ゴルジュの奥に釜を持った2段の滝は直登不可能で、左岸を巻く。この高巻きがやはり悪く、垂直近い潅木木登りにザイルを2ピッチ使う。懸垂下降しようとザイルをセットして、少し下がるとその先にも10mクラスの直瀑。その先も見れば3つほど滝が連瀑となっており、一つ上の滝上で懸垂下降してみたところで、その先の滝が登れるか分からない。万が一登り返しとなった場合は大変な時間のロスとなってしまう。既に16時近く、このままではゴルジュの中で日が暮れてしまう。ヤバイ。

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幸い潅木もあり、傾斜も緩んできているので、ノーザイルで急な草付きを草を摑んでトラバースする。潅木が少ないので、案外時間はかからない。

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巻き終えて少し進むと水晶沢が合わさり、予定の奥壁基部の幕場だ。素晴らしいロケーション。

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朝焼けの東面のスラブ群。正面ルンゼ、本谷ルンゼが良くみえる。豪快そのものだ。

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雪渓は幸い残っておらず助かった。大岩のCSを二つほど越える。

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本谷スラブにザイルを出して取り付く。下の方は一部?級程度。

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残置ピンはほとんど無いので、ハーケンを打ちながらビレイする。

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とにかくスケールが大きい。?〜?級なので慎重に登れば大丈夫だ。

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7ピッチほどロープを出したところで、いったん傾斜が落ちて沢状となったのでロープを解く。

しかしその上にもスラブが出てくるが、?〜?級なのでそのまま詰め上げるとほとんど藪漕ぎも無く登山道に飛び出した。スラブ登攀も含めて巣晴らしい沢を満喫できた。御神楽岳を往復して下山する。

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登山道から御神楽岳山頂を振り返り、登攀の余韻に浸った。