権現岳東稜

2011年3月4日〜5日

メンバー:栗原・大田原

実力不足を露呈しながらも、穏やかな好天と春の陽気に助けられ、権現岳東稜を登ってきました。

3/4 よく晴れているが、朝の気温は低い。登攀に時間がかかりそうなので、全荷を背負って稜上に泊まることとし、出合小屋は素通りする。週頭の降雪でトレースは隠れており、膝ラッセルとなった。顕著なゴルジュを抜けるとすぐの右手の浅いルンゼから稜上に上がる。稜上もやはりラッセル、時に踏み抜いて腿までもぐる。尾根が広く緩やかになった所を幕場とし、そこから小一時間ほどトレースを付けに行った。バットレスを遠望できる所までラッセル、後は明日として本日はさっさと就寝。

3/5 夜半、風がごうごうと吹き荒れ、時にテントを揺らす。3時起床するもまだ風が鳴っているため、出発を1時間遅らせ、6時出発。前日付けたトレースも風で埋まっているが、うっすらとした窪みを頼りに再ラッセル。

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【権現岳バットレスを見上げる】

前日の到達点を過ぎると腰ラッセルとなり、遅々とした歩みになる。幸い風は収まってきた。急斜面を登りきると、細い稜となる。大田原リードで登攀開始。細くて急峻な稜にザイルを伸ばしていく。いっぱいになった所でビレイ、つるべで栗原が登る。バットレスが見える所で右か左か迷い、右に行った。立派な残置支点があり、そこから再度栗原が取り付くが、岩がボロボロで非常に悪い。取り付きはもっと左じゃないかとの大田原の指摘を受け、退却、斜め懸垂で左にトラバースし、正規ルートの取り付きにたどり着いた。既に時刻は11時近く、ようやく登攀が始まった。雪に隠れたホールドを掘り起こしつつ登る。ランナウトが激しく、途中ためらって右往左往、ようやく支点を見つけて意を決して再び登り始める。安全地帯のブッシュにたどり着いた時には1時間以上経過していた。大田原さんはさくっと登ってきた。次のピッチも栗原リードするが既に核心は過ぎていた。

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【最終ピッチの登攀】 

稜上に上がってビレイ解除、これでザイルピッチは終了。あとはひたすらラッセル、時間が押していることから権現岳の山頂はあきらめ、旭岳に向かう。今年2回目の旭岳山頂を踏み、ツルネ東稜もひたすらラッセルで、どうにか明るいうちに出合小屋にたどり着くことができた。