鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳周遊

【日程】2008年5月18日(日)

【ルート】大谷原〜鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳周遊

【メンバー】矢野

AM2:45発。林道を歩いて西俣出合へ。暗い中でも白く浮かび上がる雪のお陰で、出合はたっぷりの雪で埋まっているのがよく分かる。すぐにスキーを履いて登り、デブリの起伏が面倒になる頃(1800m)からアイゼンに切り替える。

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【西沢の登り】

日が昇り、日差しが暖かくなってきた頃に赤岩尾根2320m付近に乗り上げ、そのまま所々出ている夏道を辿り、国境稜線へ。kashimayari.jpg

【国境稜線上から鹿島槍ヶ岳】

鹿島槍ヶ岳まで一部スキーを履いたが基本はアイゼン。鹿島槍の北峰と南峰を往復してきた方とすれ違い、山頂へ。全方位素晴らしい眺望で、GWにスキー縦走した剱〜毛勝ラインがよく見通せ、あらためてそのGW山行の良さを実感した。

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【鹿島槍ヶ岳山頂から爺ヶ岳】

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【鹿島槍ヶ岳から剱〜毛勝ライン】

山頂で雪面が緩むのを待つが、当分時間がかかりそう。待てば待つだけ先の行程に悪影響となりそうなので、カリカリ振動スキーで沢幅が狭まる2100m付近まで我慢して滑降。硬さを除いて想像通り美しい斜面。一部沢が出ているが問題ない。

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【コヤウラ沢】

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【棒小屋沢から剱方面】

棒小屋沢出合は広く、十字峡方面を見れば剱が見えてとても開放的な気分になる。しかし上流を見れば爺ヶ岳はまだまだ遠く、鹿島槍から滑りすぎたことを実感。

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【出合から棒小屋沢】

気合を入れなおしてシール登行を開始するが、沢幅一杯に広がるデブリや側壁にへばりつく雪の塊が気になり右に左に位置を変えて急ぎ足で高度を稼ぐ。1781m二俣を過ぎて爺ヶ岳へ一直線につめ上げる沢を目指していたが、両岸の雪が落ちそうな気配が嫌で爺ヶ岳南峰と種池小屋の間に上がる沢へ入る。そこも登るうちに苦しくなって左岸の小尾根に追いやられ、もぐる雪と藪に難儀し、稜線に出るまで随分と時間がかかってしまった。

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【爺ヶ岳南峰側から鹿島槍ヶ岳】

稜線に着いた時には上空の雲が増えており、南峰ピークでは鹿島槍は既にガスに覆われていた。すぐに南峰を後にし、中峰ピークに立ち、ようやく後は標高を落とすだけとなった。慣れないつぼ足でふらふらとトラバースの夏道を歩き、滑降開始地点へ。国境稜線と赤岩尾根の交わる2488mから、わずかな雪庇を越えて西沢へと滑り込む。西沢はデブリにより雪面には激しい凹凸と無数の落石があったが、ざらめで快適な滑りであった。黙々と1000m以上を滑降し、西俣出合へ。冷たい北股本谷の水でカラカラになった喉を潤し、春の爽やかな空気を感じつつ林道を歩いて大谷原まで。

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【西沢滑降開始地点】

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【西沢滑降後】

板が更にぼろぼろになってしまったが、鹿島槍以降1人にも会うことなく、緊張感ある良い山行であった。