【日程】2008年11月8日(土)〜12月9日(日)
【ルート】保城沢〜保城峠
【メンバー】山川L、古野、佐藤(耕)、大野、斎藤(健)、矢野
多くのトマの人々の思い入れが詰まった山行、そして未来永劫続くであろう山行、”むかしたび”第一回が始まった。そのコンセプトは”昔の装備で遡行し、沢の原点に帰ってみる〜童人トマの風MLより抜粋〜”というもの。今回選んだ場所は南会津・保城沢〜保城峠。
8日(土)曇り。道の駅たじまで、それぞれが思うむかし旅装の仕度をする。周囲の視線が熱いが、徐々に気持が乗ってきたのか麻痺したのか、いずれにしても淡々と整えて台鞍山スキー場へ。そして出発となるが、皆の姿形は色々。お遍路?修験者?陶芸家?商人?当然装備、小物も創意工夫がある。こんな愉快な山行スタートはないだろう。
林道は落ち葉が敷き詰められ、その中を足袋、わらじでからからと踏みしめて歩く。
【むかしへの入口】
小一時間で保城沢出合。沢は苔むしており、藪が多い。わらじはよく効くが、笠や袴や縄やらが藪に取られて少し難儀する。
【保城沢〜藪〜】
【保城沢〜苔〜】
【藪に消えて林道へ】
大分進んだと思うが一向に地形が予定通りに変化しないため、右岸を上がって今一度林道に出る。そのまま進んで林道末端で露営とした。
【先生】
露営も今山行の重要な要素。三方向に幕を張り、膨大な量の薪、枯草を集め、 長い夜に備える。さぁ準備はOK、この光景はさながら護摩を焚くかのようだ。
【さぁ、やりましょうか】
【!!!】
これから一晩、知恵の火で我々の煩悩の薪を焚くのである・・・ということで気合一発火起こしに挑戦するが、これが難しい。皆一回り試みてわかったこと、ライターは偉大である。
【熟練の技を要する】
火が安定して、いつもとは違うむかし風おつまみ、夕食を楽しむ。その後は火の番を決め、そのまま眠りに入る。
【長い夜】
雪がちらつき、すきま風は時折通りすぎ、実に寒いが言うまでもない。 枯草、藁、麻等を利用しつつ、皆あっちむいたりこっちむりたりしてどこかに暖かさがないかを求めながら朝を迎える。
【心地よさそう】
9日(日)小雪。保城峠往復の行程とする。林道終点から保城峠の道は荒れており、ほとんど藪漕ぎ。笹の葉に雪が乗っており、歩くたびにまとわり付く。体の末端の冷え込みが厳しいが、小一時間ほどで峠へ。
【小雪舞う中〜峠へ〜】
折り返して露営場所で再度火を焚く。暫く暖をとってから、名残惜しさを感じつつ火を始末して、からからと林道を下山。
【わらじをしめて】
【現代への帰り道】
【さすらい】
何から何までそれぞれの創意工夫があり、笑える無駄もあり、とても楽しい山行となった。そしてそこには不思議な充実感が。これから役に立つことも多く、”いまたび”と融合しつつ、”むかしたび”は美しいかたちに姿を変えていくのだろう。 楽しみだ。