【日程】2008年12月13日(土)
【ルート】小谷温泉〜雨飾山往復
【メンバー】矢野
「始まったよ山スキーの季節が。。。」独り言を言いながら雪が広がった林道にスキー板を下ろした。
今回は人が集まらず単独となったため、シーズン初めの足慣らし目的は止め、これから何度も行くことになるだろう頚城に目を向けた。豊富な積雪は期待できず、半分夏道でも構わないというつもりで出かけたが、栃の樹亭上部の工事現場を過ぎると林道は雪に覆われた。
【栃の樹亭から】
キャンプ場までのシール歩行中に日が昇り、雨飾山がその容姿を現す。初めて間近で見るが、こんなに美しい山だったのかと思わず立ち止まってしまう。キャンプ場先の小さな湿原帯では、雪の僅かな間から小川の流れがのぞくが、よく見ると小さな岩魚がいる。不思議なことでもないのだが、ただその姿を見ただけで嬉しくなる。そして、これからの豪雪が頭をよぎれば思わず「頑張れよ」の声が出てしまう。
【岩魚がひっそりと】
さてここから夏道登山道の登り。中々の急登で尚且つ所々雪が切れる、つぼ足では埋まるため雪がある限りは意地になってシール登行を続ける。
【藪に覆われた登山道】
地道に高度を稼いで漸く山頂間近の稜線に出たが、周りを見てびっくり「何で山頂が右手にあるんだ?」。そう、P2に登ってしまったのだった。ここから山頂までは目と鼻の先なのだが、スキーを持って行くには厳しいルートだ。あまりに情けなくて気が萎えかけたが、まだ10時なのでさっさと戻って登山道経由で山頂に行けば間に合うと判断し、滑降を開始する。「2回も滑れるではないか、なんて今日はついているんだ」と半ば自嘲気味に今季の初滑りを楽しみ、登山道に合流。登山道が横切る荒菅沢はまだ埋まっておらず、スキーを脱いで渉る。ここから見る雨飾山と荒菅沢源頭の斜面は素晴らしい。
【荒菅沢から】
再度ここからシール登行に拘り、藪と細い尾根に難儀しつつも何とか1894mまで。
【1894mへの登り】
こんどこそ本当に山頂は間近だ。
【1894mから雨飾山】
最後の直下の登りはアイゼンを効かせて登り、漸く山頂に。
【山頂から焼山】
思わず歓喜の声を上げてしまう。焼山、火打山は随分と白い。北アはそれにも増して白い。妙高山、昼闇山、鉢山等はまだまだだ。頚城の山々は見ていてとても面白い。それぞれが特徴的でまるで連なりがないようなのだが、そのいびつさというものがまとまりのようでもある。
【山頂からP2】
【山頂から日本海】
【北アは白さが際立つ】
一通り眺めたところで滑降準備に入る。直下の斜面は硬かったが、アイゼンで登った感触からスキーでもいけると判断。大きく深呼吸をしてから、今季の初滑り仕切りなおしとして板を斜面に向ける。硬い雪面を削る特有の音が響くが、快適。一旦平坦になり、再度1894mから滑りを楽しむ。ここからは春の雪と見紛うようなざらめ雪で一層快適。
【1894mからの滑降斜面】
沢にはデブリと岩肌が見られるので慎重にルートを選んで行くが、あっという間に荒菅沢へ。あとは藪のうるさい来た道をてくてく帰るだけ。
今回は誰にも会うことなく静かな雨飾山を楽しむことができた。ちゃんと読図したら、今年もいいシーズンになりそうだ。