太刀岡山 左岩稜 マルチピッチクライミング

【ルート】太刀岡山 左岩稜 オールフリー(残置使用)
【日時】2009/4/5
【メンバー】飯田、小川、斎藤(健)(記)
【コースタイム】
駐車場(10:30)−下部岩壁基部(10:40/11:10)−鋏岩頂上(15:30)−駐車場(16:00)
【使用ギア】キャメロット0.3, 0.4, 0.5, 0.75, 1, 2, 3, 4各1、ナッツ1式

太刀岡山左岩稜のハイライト ナイフリッジ
【7ピッチ目 ナイフリッジ】

新ルート、太刀岡山左岩稜9P(オールフリー)に行ってきました。

フィストクラック、ハンドクラック、スクイズチムニー、快適なポケット、高度感抜群のナイフリッジ、微妙なスラブ。

次は一体なんだろうというワクワク感を、最後まで裏切らない素晴らしいルートでした。

太刀岡山 左岩稜全景
【太刀岡山 左岩稜】

★1ピッチ目(トップ:小川、セカンド:飯田、サード:斎藤) 5.9 20m

1ピッチ目
【1ピッチ目】

スリップしやすい岩を2mぐらい登ってからクラックに取り付く。

フット、フィストともに快適に決まるサイズ。

★2ピッチ目(トップ:飯田、セカンド:斎藤、サード:小川) 5.7 20m

凹角に綺麗なクラックがさらに続く。

2ピッチ目なので、太刀岡のクラックにも慣れ、気持ちよく手足で登って行くことができる。

★3ピッチ目(トップ:斎藤、セカンド、小川、サード:飯田) 5.8 20m

3ピッチ目
【3ピッチ目 スクイーズチムニー】

4mほどのクラックから始まります。

クラックの出口に一抱えもある浮石。この、浮石を避けて登るのは、ちょっと大変。

先行パーティーのフォローの方がどうしても登れず、浮石を引っ張って登ったものだから、今にも落ちそうでした。

一応、最後に飯田さんが浮石を中に押し込んでおきました。

バンドの先には、出ました!!スクイーズチムニー!

リュックやら、カムやらがスクイーズチムニーを登ろうとする自分の動きを邪魔する。

余り奥まで入り込まず、体を半分チムニーから出して登る感じがポイントのようだ。

エルボーロックでレストしたり、アームバーやニーロックなど、いろいろ試せて楽しい。

スラブの途中にボルトが一本。

この1本が取れれば少し安心。

終了点は2人で満員。前のパーティーの出発を少し待って終了。

後ろのパーティーは僕らの出発を待たずに手前でピッチを切る。

自由自在にピッチを切るところ、参考になりました。

★4ピッチ目(トップ:小川、セカンド:飯田、サード:斎藤) 5.5 20m

4ピッチ目
【4ピッチ目 本当は5ピッチ目のクラック】

岩稜帯を越え、木の生えたテラスまで。

本来、20mのピッチだが、次のピッチのクラックを7mほど登ってこのピッチを終了。

写真は、まとめて登ってしまった次のピッチのクラック前半部分。

★5ピッチ目(トップ:飯田、セカンド:斎藤、サード:小川) 5.8 20m

5ピッチ目 リードする飯田さん
【5ピッチ目 快調にロープを伸ばす】

本来の5ピッチ目のクラック前半部分まで小川さんが登り、リッジ側に回り込んだところでピッチを切ったので、飯田さんは快適な岩稜部分担当。

クラック前半部分と、クラック後半部分(写真のオレンジ色のロープと青いロープの間のクラック)は、一連のクラックなので、次回は、後半部分のクラックも登ってみたいところです。

飯田さん、順調に高度を稼いでいく。

5ピッチ目から高度感がでてきてマルチピッチを堪能。

5ピッチ目 おひかえなすって!
【5ピッチ目 おひかえなすって!】

5ピッチ目 ウォー
【5ピッチ目 ウォー!】

★6ピッチ目(トップ:斎藤、セカンド、小川、サード:飯田) 5.6 40m

快適な岩稜帯をよじ登る。

ポケットホールド、スタンスともに豊富。

岩を越えたところにリングボルト2本の終了点。

下を向いてビレイする。

★7ピッチ目(トップ:小川、セカンド:飯田、サード:斎藤) 5.6 45m

7ピッチ目
【7ピッチ目 こんな細いところに立ち上がるの???】

ハングした岩から始まり、スパッと切れたナイフリッジへ。

こんな細い稜線、なかなかありませんよね〜。

★8ピッチ目(トップ:飯田、セカンド:斎藤、サード:小川) 5.6 30m

8ピッチ目
【8ピッチ目 細いところに立ってバンザイ】

高度感は益々増してくるが、ホールド、スタンスともに豊富でなかなか快適。
祠の横の岩にスリングをかけてビレイ支点、セルフを取る。

★9ピッチ目(トップ:斎藤、セカンド、小川、サード:飯田) 5.9 15m

9ピッチ目 鋏岩
【9ピッチ目 鋏岩 ラストクライム】

フィナーレは、祠の広場から鋏岩を登る。

カムやナッツを効かせながら、慎重に体重を移動させる。

スラブといっても、身長があれば、ガバに手が届いたり、ヒールで体を安定させたりすることが可能。

頂上には、真新しいハンガーボルトと懸垂用の残置カラビナ。

快適に鋏岩から懸垂下降し、登山道に降り立ったところで、お疲れ様の握手。

この日、この太刀岡山左岩稜には、なんと5パーティー12人も。
ガイドが2パーティー(岡田康氏、鈴木昇己氏)と、知り合いが2パーティー。

噂が噂を呼んで、かなりの人気ルートになる予感がしています。

■ルート概要
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ルート名:太刀岡山左岩稜
標高差:230m
ピッチ:9ピッチ
グレード:5.9
種類:クラック
開拓者:篠原達郎、松原尚之
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