2011/9/23−25 S貫、T橋、S藤、S村
先週までは、いったいこの暑さはいつまで続くのかといい加減ウンザリしていたが、台風15号が通過したと思ったら急に涼しくなった。志賀高原は標高が高いため肌寒いを通り越して寒さで震えが止まらないほどだ。初日は天気の回復が遅れ、一日中曇りときどき雨。きっと増水もしているし、こんな中沢に入る勇気もなく、初日は岩菅山山頂の避難小屋に泊まることにした。
小屋はとても快適。他のパーティがいなかったので広い空間を自由に使うことができたが、その分寒かった。
翌日朝はガスっていたが、これから晴れる予報だったので予定通り庄九郎沢へ。
滝がときどき現れた。1ヶ所だけ安全を優先して懸垂で降りたが、それ以外は全てクライムダウンできた。
本流は、庄九郎沢に比べてやはりスケールの大きい、そして美しい沢だった。前日までの雨の影響で今回は水量が多めなのだろう。ただし、そのせいで通過に苦労するほどではなかった。
魚野川は、その名の通り魚影の濃い沢だと聞いていたが、今回は全く見かけなかった。
幕場は南ノ沢出合に決めた。人気沢だけあってまさに快適。ただし、何度やっても薪に火が点かず、震える体を乾かすこともできずにツェルトの中に潜り込むハメになった。
翌日は北ノ沢を遡行した。上部にも滝や深い釜は点在したが、なんとか膝より上が濡れることなく通過することができた。
詰めは竹藪だ。「登山道を歩く人の声は聞こえるが全く近づかない」という記録を読んでいたのでどれほど密な藪が待っているのかと恐怖したが、思ったほどの濃さではなく、また、時間もそれほどかからなかった。きっとルート取りが良かったのだろう。
稜線を歩くとスキー場に出た。なんて清々しい高原、清々しい人々。ここは世界が違う。不思議な余韻に包まれながら下山した。
今回は寒かったのでできるだけ水に浸からないよう歩いたが、盛夏だったら飛び込むときっと気持ち良いだろうと思う場面が何度もあった。次回はもっと下流から水と戯れつつ遡行したい。