塩沢右俣へ
3日目は、右俣へ。左俣よりもワンランク上というが、昨日の様子からすれば何とかなりそうだ。また3時30分起床で、5時40分に出発。ベースキャンプのある右岸台地をそのまま進んでいくと、次第に崖状になっていくので、ここで沢を渡り左岸斜面を歩く。沢床は、大岩や倒木が多いのでなるべく使わない方が楽である。
F1は、トポではナメ70mとなっているが、最初の5mの氷瀑は右側の窪状から巻ける。その上は、沢は段々になっており氷に覆われているが、果たしてこれはナメと表現するのか??という感じ。昨日もそうだが、カウントしない小滝やナメなども多く、支沢の表記が抜けているので、トポはあてにしない方が良い。
【F2】
しばらくすると立派なF2。2段45mである。朝一番ということもあるが、下段はバーチカルで非常に硬い氷だった。?+。左側の易しそうなラインを登った。昨日の懸垂下降のロープの回収で、滝下の釜に入ってしまって、2本のうちの1本のロープが凍ってしまった。10cm位凍っている部分が何箇所かあり、ロープが引っ掛かって流れずビレイに手間どる。上段の易しいところで、早く登ろうとしたらロープが出ないので、仕方なくゆっくり登る。
【F3】
つづいて、F3 30m。?級。F2より氷が硬くなくて登りやすい。
【F3】
【F4】
易しいのでフリーで登る。
【F5】
正面と左上する2条の氷瀑となっているが、本流は左上に曲がっていく方である。下段は水っぽくて軟らかい?級の易しい氷だが、上段はモコモコ、スカスカの氷で登りづらい。
この先は?級程度の氷瀑が幾つも続いていく。氷瀑一つ一つをカウントしていくとトポとあわない。カウントしない小滝があるようだ。全てフリーで登れる難易度だが、20m程度の高さもあるものもあるので気が抜けない。
【F7?】
滝の間の平な部分は大抵が釜になっている。薄氷の上に雪が載っているだけなので、一歩足を置くとバカっと割れる。5回位踏み抜いてしまい、そのうち1回は両足がくるぶしまで水に入ってしまった。おかげで靴下がなんとなく湿っていて足が冷たい。
【F9?】2段30m
滝と滝の間も歩くので、とても長い。いつになったらF10に着くのか。。。本来のタイムリミットの13時はとっくに過ぎてしまった。
【F10】2段45m ?+
13時30分から登り始めて、14時30分まで掛かる。今日はBCに戻る前に日が暮れそうだが、これを登らないと後悔するので取り付く。下段の10mは窪状で?程度なのでロープはいらない。テラスでビレイして上段の30mを登る。バーチカルは10m程度だ。
【F10】
水が滴る左側を避けて右側に取り付くが、やはりここも水が垂れてきて手袋やアウターが濡れる。これまで濡れなかったので残念。下部のモコモコは、氷の上にモナカ氷が乗っていて荷重すると剥がれるのでちょっと嫌らしい。バーチカルを過ぎて傾斜が緩くなってからは、剥がれるところと硬いところが混ざっていて最後まで気が抜けない滝だった。
F10を抜けて上流を見ると傾斜の緩い氷瀑が見えたが、ここまでとする。左の一段上がった潅木からダブルロープで懸垂。右俣は滝の数が多いので、ほとんど懸垂したので下降に時間が掛かった。F3を懸垂している途中で日が暮れてしまい、暗闇の中を下降しベースキャンプに戻ったのは18時50分であった。実に13時間強の行動だった。他の記録と比べて遅いが、言い訳としては雪が少なくて歩きづらいこと、氷の露出が高くて懸垂下降を多用したことか。歩くのが遅いというのが一番かもしれないが。。。
4日目は下山するのみ。下山も渡渉に苦労して時間がかかる。このアプローチがもっとよければ、塩沢も多くの人が入るのにと思う。氷結が良くなくてがっかりすることが多かった戸台周辺よりも充実していると思う。本流以外にもほとんどの枝沢やルンゼにも氷がかかっており、右俣F5の右に入るルンゼなどは傾斜の強い立派な氷瀑が続いており、このあたりも狙い目になるだろう。