白神  追良瀬川〜ウズラ石沢

【日時】2006年10月2日〜10月4日

【メンバー】栗原(単独)

栗原です。10/2-4で白神の追良瀬川〜ウズラ石沢に行って来ました。とても楽しかったです!!
後押ししてくれた手嶋会長始め、送り出してくれた皆さん、ありがとうございました。

以下、報告です。

10/1 勤続慰労休暇の初日は、幽ノ沢の会心のクライミングではなく救助で始まった。幸先のいい(?)スタートである。いい事をしたんだから、きっと報いがあるはず・・・。不安な天気予報に、夜行バスで一路秋田を目指す。

10/2 タクシーで追良瀬大橋に降り立ってしまうと、独りきり。沢スタイルに身を固め、いよいよ出発である。天気は曇り、このままもってくれるといいが・・・。堰堤の通過は、ラッキーなことに電力会社関係者(?)のおじさんが中からドアを開けてくれて、そのまま中を通って堰堤上に出られた。
まずはゴーロ歩きだ。向こうから、五郎三郎沢を登って赤石に入り再び沢を乗っ越して戻ってきたという二人連れと、巡視員のおじさんに会う。歩くうち、雨がぽつぽつ降り出してきた。一ノ沢出合を過ぎると、小ゴルジュが出てくる。左から巻こうとしたら懸垂になりそうだったので、戻ってヘツって突破する。二ノ沢を過ぎ、五郎三郎の滝を正面に見ると、予定の天場適地だ。ここでポカ1。砂場に平らな天場スペースと焚き火跡があったため、すぐさまそこにテントを張ってしまった。川の流れまでは6-7m離れている。まぁ大丈夫だろうと思ってしまった浅はかさを後で知ることになる。

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10/3 しとしと降っていた雨が、夜半、本降りになった。雨が降るのを分かっていてどうして河原にテントを張ってしまったのか。とりあえず沢靴はテントの中に避難させ、増水が気になりつつもウトウトして、夜中の1時過ぎ、妙な気配に目が覚める。沢音が近い。テントから覗くと、ヤバイ、増水している!!あわてて荷物をまとめ、本降りの中、左岸の薮に避難する。かろうじてテントを張れるスペースを確保し、明日の増水具合が気になりながらも再度眠りに着く。

朝起きると、天気は曇り。川を見ると、やはり増水している。ふと見ると、薮のすぐ横にちゃんとした天場があったのだった。とりあえずテントの中で様子を見るうち、再び雨が降り出した。秋田地方の天気予報は、「曇り」から「夕方まで曇り一時雨」に変わっていた。停滞も考えるが、そうすると予備日を使うことになる。停滞は最後の手段として今日は行けるところまで行くことに決めた。ウズラ石沢出合まで、ガイドブックで4時間。午後になれば少しは水位も下がるだろうから、進めなくなった所でテントを張り、減水を待つという手もある。
左岸を進むが、最初の渡渉で危険を感じた。通常膝くらいのはずが腰くらいまで増水している上、濁っており、下手に渡ると流されそうだ。仕方ないので、極力渡渉せず、へつり+高巻き+ゴルジュ(?)突破で行くことにする。対岸に渡渉できれば膝くらいの場所でも腰まで水に漬かって進むこともしばしば。沢旅のはずが、ゴルジュ突破とは・・・。いざと言うときの天場を確認しつつ進む。それでも時間をかけてウズラ石沢の出合にたどり着いた。ウズラ石沢に入り、普通に渡渉できるようになったときはほっとした。
懸念の10m右壁には、残置ロープがあった。なければ空身で上がってザイルを固定して再度登り返さなければならなかっただろう。小滝群を超えると、ブナ林が見え出した。ブナ林の中に天場を発見し、ようやく安堵する。夕方からは晴れてきた。

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10/4 晴れ! 今日の核心は地図読みだ。出発してすぐに1:1の二俣になる。ここで高度計を合わせ、念のためあんちょこを確認。あれ、ガイドによると最後が山頂と小屋の間に突き上げることになってる・・・。過去のトマの遡行図を見て、山頂の左肩に出るんだと思い込んでいた。これだと最後が30分の薮こぎになる。ポカ2。再度地図を確認し、c920mを右に入る。2本ほど右からの枝沢を分けると、水流がなくなり、笹のトンネルに突入。無事、登山道に飛び出した。山頂はすぐそこ、よく晴れた一人きりの山頂に、思わず「やったー!」と叫ぶ。
だが、さすが世界遺産、平日にもかかわらず、後からわらわら人が登ってきた。地元のおじさんに、周りの山を教えてもらう。岩木山・八甲田連峰・岩手山・森吉山・・・。2時間ほど休憩して、山頂を後にする。地元のおじさんとは途中から一緒に下り、白神登山口駐車場からあきた白神の温泉まで車に乗せてもらった。五能線から乗り継ぎ、秋田に出てしまうと、植島さんの所謂「神隠しの時間」も終わる。東京行きの夜行バスに乗ってから、ポカ3、「休暇で秋田に行く」と吹聴(?)した会社へのお土産を買うのをすっかり忘れきっていたことを思い出したのだった・・・。ああ、神隠しに会いたい・・・。

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