米子不動 入門エリア&正露丸 アイスクライミング

山行日:2020年2月22日~24日

メンバー:Kog Sasa Fuku

怪我をして以来の久しぶりの米子不動。氷の殿堂に行ってきました。

暖冬で雪も氷も無い中でしたが、楽なアプローチで氷結は良くないために薄いベルグラや岩の露出した落ち口に苦しみながらも今シーズンの集大成として充実したアイスクライミングができました。

展望台からの眺め。

左から「権現滝」、「不動滝」、「黒滝」、「カチカチ山」、「正露丸」。

以前1月上旬に訪れたときよりも氷が細い

展望台でパチリ。

初日は入門エリア。「森の囁き」、「氷の呟き」へ向かいます。

「森の囁き」。岩や水流が見えていて、落ち口はベルグラ。

まあ、傾斜も緩いので無理やり登ってしまいましょう。

やはり落ち口が微妙。本日は気温も高いせいかシャーベット状です。

落ち口のアップ。

続いて「氷の呟き」。

Fukuさんのリードです。

氷結悪いです。

最後の登り。

上から見るとこんな感じ。

夕方から雨の予報でしたが、思ったよりも早めに天気が崩れて、ぽつぽつと降り出してきたので早々に退散しました。雨の中テントに戻って早めの宴会。そのうち雨が止んで、まだ明るいうちだったので、雨が早まったのかと思いきや。。。。

夜になってから土砂降りになってしまい、ただでさえ氷結良くないので氷が溶けてしまうではないかと心配。この調子では登れる氷瀑はあるかな~?

2日目の朝。雨からみぞれにかわって、湿った雪になる。4時起き6時出発の予定だったが、これはアイスクライミングやめて帰るか協議。テントを撤収し始めてからラジオで天気予報を再確認すると午後からは曇りの予報で、まぁなんとかなりそうかとテントを張りなおしてしばらく待機。

雪も弱まってきたような気もするので改めて出発。

本日は、「十八幅滝」へと向かう。

右側は薄くてヤバいので左のラインから登ります。

ビレイヤーは落氷を避けるため、岩の影からビレイ。

下段はすいすい登ります。

落ち口がやっぱり薄くて水流も出ていました。

リードフォローで登って、懸垂で元に戻る。

まだ昼過ぎなので、隣の「奇妙ノ滝」へと向かいます。

真ん中は水流がジャバジャバ出ていますが、左のラインは登れそう。

先行パーティが居て、登っています。

荷物を置いて登ろうかとしていた矢先に上からの落氷がSasaの手に直撃。

腫れ上がって痛くてバイルも握れないとのことで、FukuとKogの2人で登ることに。。

先行パーティが登っていましたが、その左側のラインは空いていて重ならないので取付きましたが、登り始めると水が滴っていてシャワークライミング状態。仕方なくやや右のラインに逃げますが、氷もシャバシャバで、やはり飛沫が飛んできてアウターは凍るは、ヘルメットのバイザーはガチガチになるわで散々でした。登り自体は簡単なのでそれほど時間も掛からずに登りました。先行パーティは50mロープで上まで届かないのでピッチを切って登っていたので、先に左の終了点へ着きました。

懸垂下降して、記念撮影。懸垂のときにロープが変に絡まってしまい、先行パーティの方をお待たせしてしまい迷惑をかけてしまいました。

帰路に展望台経由で戻りますが、次第にガスがかかってきてちょっと残念。

本来なら「権現滝」と「不動滝」の絶景をバックに撮影できるのですが、これでは単なる記念写真です。

滝山館を経由して戻ります。

帰りには明日登ることにした「正露丸」の偵察へ行きました。

雪が少なくて締まっており、3月のような状態のためラッセルもなくすぐに登ることができました。遠目には落ち口が繋がっていないようにも見えましたが、薄いながらも上まで氷はあるようなので、登れないこともないかと思いました。

テンバに戻ったら、先ほどの先行パーティの方が隣にテントを張っていて、なんと鳥取から8時間かけてきたそうです。気合入ってますね~。

最終日は今回のメインの氷瀑である「正露丸」へ向かいました。天気も安定した晴れが一日続くようですし、雨が降ってから一晩経っているいるので少しは氷の状態も良くなっているようです。

大迫力の氷瀑を目指して沢型を詰めていきます。

やはりでかいですね。100mくらいです。

左が「正露丸」で右は「百草丸」。

「百草丸」は佐藤裕介さんが登ったらしいけど、氷は下まで繋がっておらず右のクラックからドライツーリングで登るというけれど、ちょっと考えられないな~!

どのラインから登るか考えました。左側は水が滴っているのですが、段々もあり思ったよりも難しくなさそう。右はツララの集合体のぶっ立った氷柱で90°のバーチカル5m位が2回出てきてシビアなクライミングになりそう。皆で相談した結果、昨日に続きシャワーを多少もらっても良いから左のラインが無難ということで意見が一致する。

ちょっと薄いように見えるところから登り始めます。

まずは左寄りの易しいところを狙い、続いて滴る水の左側から登りますが、登ってみるとバーチカルでそれなりに大変です。思ったよりも濡れずに済んで一安心。

凹角からは右へトラバース気味に易しいところを繋いでいきますが、氷のトラバースは難しいというよりは怖いので慣れが必要ですね。55mロープを伸ばして右側の足場の良いところでハンギングビレイとなります。

セカンドのFukuさんが登ります。前夜は緊張して登れずに敗退するのが夢にまで出て来たとか。

昨日落氷で手を痛めたSasaも、フォローならなんとか登れそうとのことで皆で登れてよかった。

ビレイ点の真下まで登ってきました。

2ピッチ目は傾斜が80°くらいに見えたので、それほど厳しくないようにも思えます。

ところが最後の落ち口のベルグラが薄くてプロテクションを取れない5mのバーチカルで、ヤバい。アックスの打ち込みやすい窪んだところを狙うと岩をたたいてしまいます。氷も薄くて深く打ち込めないので、引っかけているだけのような感じ。本当にヤバい。腕を交互にシェイクしながら気持ちを落ち着かせて慎重に登りました。

ベルグラ登り、最悪です。やはり氷が無いって難しい。

セカンドのFukuさん、時間をかけて各駅停車となりましたが、途中敗退することもなく根性で登り切りました。

完登して笑顔!!

上からの眺めは展望広場が良く見えました。逆からの眺めも大展望なのかな~。

懸垂下降しながら、最後のベルグラを撮影。

どう見てもクレイジーだよね。頭のネジが2,3本緩んでないと登れませんよ。

ツララを落としながら懸垂2ピッチです。

登ったときのビレイポイントにVスレッドを作っておいたので、中継して下降します。

良く登りましたね。

人が小さい。

今回のアイスで「森の囁き」「氷の呟き」「正露丸」が登れたので、これで米子不動で登っていないのは残すところ「どぜうの詩」と「不動戻し右」だけ。どちらも暖冬の年には条件悪いので、いつ行けるかな~。なんとかコンプリートしたいものですね。

今回は雪が少なくてアプローチは楽出来ましたが、氷結は悪くて登る条件としては最悪ながらも5本の氷瀑を登るという事前の想定よりも大きな成果となりました。大満足のクライミングでしたね。。。